「不動産をサービス業と捉える」という先進的な思想を掲げ、川崎市の溝の口・高津エリアを中心に賃貸・売買・管理事業を展開する株式会社エヌアセット。同社は川崎市高津区内の仲介件数でNo.1の実績を誇る地域のリーディングカンパニーですが、その裏側では不動産業界特有の「複雑なコミュニケーション」と、個人アドレス利用に伴う「対応のブラックボックス化」という構造的な課題を抱えていました。
これらを解消すべく同社が選んだのが「Re:lation(リレーション)」。個人間のやりとりを徹底排除した半年間の軌跡、そして最新機能「AIメールエージェント」の活用でメール作成時間を50%削減した劇的な効果について、現場のリアルな変革のストーリーを伺いました。
導入前の課題

辞めた後に「爆発」する怖さ。個人アドレスがもたらすブラックボックス化と、不動産管理特有の複雑性
「Re:lation」導入以前、同社の顧客対応は属人化という目に見えないリスクに脅かされていました。当時はグループアドレスをCCに入れつつも、実際の返信にはスタッフ個人のアドレスを使用していたため、お客様とのやり取りが完全に個人へ紐づいてしまっていました。
細山氏:「退職前に起きていた事象が、ブラックボックスの中に隠れてしまう。そして、そのスタッフが辞めた後に、お客様側から『あの件はどうなっているのか』という問い合わせをいただき、初めて問題が発覚して爆発してしまう――。当時は常にそのような怖さを抱えていました。」
さらに、同社を悩ませていたのが、不動産管理という業務が持つ特有の複雑さです。
一つの案件に対して、入居者様、家主(オーナー)様、工事業者様という3方向へのコンタクトが常に発生する不動産管理業務。特に地場のオーナー様とは歴史が長く、情報は単発で終わるものではなく、過去の経緯を常に継ぎ足して蓄積していく必要がありました。基幹システムや自社開発のツールで履歴管理を行っていましたが、これらはあくまでデータの蓄積用。柔軟かつ多角的なコミュニケーションが求められる現場の業務プロセスにはうまく適合していませんでした。
導入の決め手
決め手は「網羅性」。LINE・SMS連携まで『Re:lation』一つで完結する業務環境へ
新たなツールの選定にあたり、複数のシステムを比較検討した同社。その中で最も重視したのは、既存の業務プロセスを崩さずに統合できるツールの網羅性でした。同社が求める要件を満たせるシステムは、他社には存在しなかったといいます。
細山氏:「複数のツールで比較検討を進めましたが、LINE連携やショートメール(SMS)の送信など、細かな部分でどこか片手落ちになっている印象でした。その点、Re:lationには我々が利用するにあたって必要十分なものがすべて揃っていたのです。すでに業務に組み込んでいたチャネルからの発信が、導入のタイミングでより簡略化して実現できるようになりました。」
高齢のオーナー様などが希望されるLINEでのコミュニケーションも、公式アカウントと連携させることで、個人のアカウントではなく「チーム全員で共有・対応できる体制」へと移行。顧客対応のすべてをRe:lationだけで完結できる確信が持てたことこそが、最大の決め手となりました。
運用の工夫

名刺から個人アドレスを徹底排除。半年をかけて泥臭く浸透させた「共有」の文化
導入という決断を下したものの、全社的に運用が浸透し、文化として定着するまでには半年の歳月を要しました。これまでの「個人でメールを完結させる」やり方に慣れている社員ほど、新しいツールへの心理的抵抗感は強かったといいます。
ここで同社が取ったのは、妥協のない強い意志を持った運用ルールでした。
細山氏:「とにかく『個人のメールアドレスを使わないでほしい』と言い続けました。最終的には、名刺からも個人のメールアドレスを完全に排除し、Re:lationの共有アドレスのみを記載するように統一しました。部署ごとに返信テンプレートの整備やブラッシュアップを重ね、作業の標準化と効率化が目に見えて向上するにつれ、徐々に『情報は属人化させるものではなく、チームで共有するものだ』という文化が根付いていきました。」
導入後の成果
「AIメールエージェント」で作成時間を50%削減。スマホアプリがもたらした若手の心理的安全性

事前に整備したテンプレートの活用に加え、最新機能である「AIメールエージェント」を活用したことで、返信文作成にかかる時間が劇的に減少しました。
細山氏:「本当に返信したい要点を入れるだけで、適切な文章をそのまま作成してくれます。これによって、メールを作る時間は確実にこれまでの半分(50%削減)になっていると実感しています。
さらに、メールの共有化で『見られている』という適度な緊張感が生まれたことで、スタッフ間で『この対応どう思う?』という相談やアドバイスが自発的に飛び交うようになりました。管理者がトラブルの兆候をいち早く察知してフォローに回れるため、かつて恐れていたクレームの爆発は激減しています。何より、経験の浅い若いスタッフにとって『困っても誰かが必ず気づいて助けてくれる』という大きな安心感に繋がっています。
また、外出が多いスタッフにとって、Re:lationのスマホアプリは今や手放せない武器です。 外出先からでも、移動中にスマホで過去の対応履歴を瞬時に検索・確認し、そのまま顧客へ連絡を入れられる。既存のCRMでは決して実現できなかった、情報の一元化と可視化を完璧に成し遂げました。」
今後の展望
バラバラの情報を一つに。「情報集約のパイオニア」として、さらなる顧客体験の向上へ
同社では入居者専用アプリ『totono』や外部コールセンターとも連携しつつ、そこで拾いきれない「メール・LINE・SMSのすべてのメッセージの着信・対応窓口」としてRe:lationを組み合わせて運用しています。
細山氏:「これまでバラバラになっていた情報を集約させ、『ここさえ見ておけば、お客様とのやり取りのすべてがわかる』という状態を作れました。まさに弊社にとって、Re:lationは情報集約のパイオニアのような存在です。」