広島の原爆ドームに隣接する複合商業施設を運営するおりづるタワー株式会社。パノラマビューの展望台や体験型コンテンツを通じ、国内外の観光客へ唯一無二の体験を提供しています。一般のお客様からの問い合わせや商談、団体予約、貸会議室の管理などの、多岐にわたる窓口からくる膨大な連絡に対し、属人化の解消とシフト制特有の「担当者不在による対応遅延」を防ぐため、メール共有システム『Re:lation』を導入しました。

コロナ禍を経てインバウンド需要が急速に回復する中、同施設の裏方として運営を支えるのが事務局の皆様です。今回は、総務から広報まで多岐にわたる業務を担う小山氏に、導入によって実現した「チームでおもてなしを届ける体制」への変化について詳しく伺いました。

導入前の課題:個人の受信箱を圧迫する、1日数百件の「共有メール」

同社では、一般のお客様、商談、団体予約、貸会議室の管理など、多岐にわたる窓口を少人数で担っています。当時はOutlookを使用し、代表アドレスに届く1日100件近いメールを個人のアドレスへ転送して対応していましたが、誰がどの案件に対応しているのかを把握する術がありませんでした。

小山氏:「出社すると、全体に関わる共有メールが100件近くと溜まっているのが当たり前の状況でした。その膨大なメールの山に自分宛ての大事な個別メールが埋もれてしまい、探し出すだけで一苦労。本来優先すべき業務への集中が削がれていました。」

さらに深刻だったのが、対応状況の把握です。

小山氏:「誰がどのメールに対応しているのか、外からは全く見えませんでした。そのため、メールを一通返すにも、まず社内向けに『この件、私がやります』と宣言してから着手するというルールを設けていました。この『ワンクッション』が積み重なると大きな時間のロスになりますし、急いでいる時に宣言を見逃して二重返信をしてしまったり、逆に『誰かがやるだろう』という心理から対応漏れが起きたりと、メール一通にかける時間が多くなっていました。」

導入の決め手:比較検討不要と感じた「直感的な使いやすさ」

問い合わせ窓口の増加に伴い、従来の管理方法が限界を迎えていた際、代表者からの提案をきっかけに『Re:lation』の検討を開始。選定のポイントは、複雑なルールを必要としない「直感的な操作感」でした。

小山氏:「導入の決め手は、誰が対応中か、あるいは完了したのかが一目でわかること。これに尽きます。画面を見れば誰がボールを持っているかが瞬時に把握できるため、今まで必須だった社内確認の連絡が不要になりました。操作がシンプルで、導入時に現場が混乱しなかったことも大きなポイントでした。」

また、タイミングも重要でした。コロナ禍が明けて団体予約のシステム化など、社内のDX整備を推進していた時期でもあり、スムーズに導入へと至りました。

導入後の成果:「その人が出社しないと分からない」状況からの脱却

導入後、最も大きな変化はシフト勤務による弊害が解消されたことでした。これまでは担当者が休みの日は対応が止まってしまっていましたが、チーム全体で履歴を共有することで、継続的な顧客対応が可能になりました。

小山氏:「私たちはシフト制で動いているため、担当者が平日にお休みをいただくことも多いです。お客様からすれば『平日の昼間なら連絡がつくだろう』と思われますが、以前は担当者が不在だと、そのスタッフが出社するまで履歴も経緯も分からない『ブラックボックス』状態でした。 しかし、Re:lation導入後はチーム全員で履歴を共有できるようになりました。担当者が休みの日でも、他のメンバーが過去のやり取りを遡って『ああ、この件ですね』と滞りなく代行返信ができます。属人化を防ぎ、チーム全体でお客様をカバーできる体制が整ったことは、精神的な安心感にもつながっています。」

さらに、現在は「担当者設定」機能を活用し、広報や団体予約などの窓口ごとに担当を振り分けることで、膨大なメールが自分宛ての受信箱を埋め尽くすストレスからも解放されています。

現場への浸透:ツールを使う「本質」を伝え続ける

現在は物産チームなどへも利用の輪が広がり、全従業員がRe:lationを利用しています。しかし、全社への浸透には丁寧なプロセスが必要だったと小山氏は振り返ります。

小山氏:「中途入社の社員など、長年Outlookや個人メールでの管理に慣れてきたスタッフからすると、『なぜわざわざ共有ツールを使うのか』という疑問を持つこともあります。特に大きなトラブルを経験していないと、その重要性が伝わりにくいものです。 だからこそ、研修や日々のコミュニケーションの中で、『なぜ共有が必要なのか』という本質を伝え続けています。顔の見えないメール対応だからこそ、速さと正確さが信頼に直結すること。担当者によって返答が違うといった事態を防ぐことが、おりづるタワーとしてのブランドを守ることになる。そうした目的意識を共有することを大切にしています。」

今後の展望:ナレッジの共有で、さらなる「おもてなし」へ

導入から一定期間が経ち、現在はメール対応の「漏れ・ダブり」を防ぐフェーズから、蓄積されたデータを活用するフェーズへと移行しつつあります。

小山氏:「今後は単なる問い合わせ対応のツールとしてだけでなく、営業ナレッジの蓄積などにも活用の幅を広げていきたいと考えています。新しいスタッフにも『なぜ共有が必要なのか』という本質を伝え続け、どの部門でも同じ品質で、スピーディーにお客様と向き合える環境をさらに強固にしていきたいです。」

おりづるタワーにとって、Re:lationとは?

最後に、小山氏にRe:lationが組織においてどのような存在になっているかを伺いました。

小山氏:「『チームで繋ぐバトン』のような存在です。個人の力に頼るのではなく、メンバーが不在でも誰かがそっとフォローできる。Re:lationがあるからこそ、私たちは自信を持って、お客様に最高のおもてなしを届け続けることができるのだと感じています。」