パナソニックグループで住設建材の販売・施工を担うパナソニック リビング株式会社 首都圏・関東社。同社の首都圏エンジニアリング部は、現場の第一線でビジネスパートナーの課題を解決する組織です。しかし、現場社員の個人携帯に届く膨大な問い合わせが深刻な負荷となり、移動や作業中も対応に追われる状況が課題でした。

この状況を打破するため、同社は一次対応をコールセンターへ委託し、情報を統合管理する基盤としてRe:lationを導入。半年で2,200件超の案件をRe:lationで集約・管理し、組織的な対応体制を確立しました。

今回は、部長の田中 博数 氏、課長の小野寺 勇 氏、実務を担う香取 裕直 氏に、IT活用で現場の負担をいかに軽減しチームの力を最大化させたのか、その舞台裏を伺いました。

導入前の課題:現場社員の携帯に鳴り止まない電話。属人化と対応負荷の解消が急務に

同社の首都圏エンジニアリング部は、住宅・非住宅市場に対し、営業・設計・施工の技術をワンストップで提供し、ビジネスパートナーの課題解決を担っています。その中心となるのが施工現場を支えるエンジニア(外勤メンバー)ですが、以前はエンジニアが施工管理という本来の役割に専念したくとも、それを妨げてしまう運用上の課題を抱えていました。

この属人化した状況を打破するため、同社は2025年2月より問い合わせの一次受付を外部コールセンターへ委託することを決定。個人の携帯に直接連絡がいかない仕組みへと舵を切る中で、コールセンターから届く引継ぎ情報を内勤のメンバーが確実に管理・共有し、現場へ迅速にフィードバックするためのプラットフォームが必要不可欠となりました。

小野寺氏:「導入以前、工務店や施工店からの連絡は現場社員の個人携帯やメールに直接届く運用となっていました。問い合わせの内容は施工の日程調整や図面に関する詳細なやり取りがメインですが、月間約350件にも及ぶ連絡が個人の携帯に集中。現場作業中や移動中の社員が本来の業務の手を止めて対応に当たっていたため、迅速なレスポンスを維持することが難しい状況でした。

また、電話のほかにもショートメッセージやメールなどが状況に合わせて使い分けられており、情報の分散も大きな課題でした。特に外出中の社員が車での移動中は物理的に電話対応ができず、現場もバックオフィスも非常に困っていたんです。こうした制約を解消し、チーム全体で円滑に業務を回すためにも、従来の運用方法を根本から変える必要がありました。」

導入の決め手:グループ内での信頼と「一目で状況がわかる」圧倒的な見やすさ

一次対応の外部委託にあたり、外部ツールの導入を決定。選定の決定打は、すでにパナソニックグループ内での導入実績があり、高いセキュリティ基準をクリアしていたことと、ITツールに不慣れな現場でも直感的に使いこなせる「圧倒的な見やすさ」でした。複数のツールを比較した結果、誰がどこまで進めているか一目で把握できる操作性が、導入の大きな決め手となりました。

田中氏:「検討した中で、Re:lationが一番見やすかったのが最大の理由です。特に誰が担当しているのか、オペレーターの顔写真が表示されたり、誰がどこまで案件を進めているかが一目で分かったりと、圧倒的に見やすかったです。画面を一目見るだけで状況が把握できる。この直感的な使い勝手の良さが、私の最終的な決め手となりました。」 

香取氏:「自動ルールを設定することで案件ごとに自動でラベルが付与されたり、担当の割り振りがパッと見てわかる形だったので、導入当初から抵抗なくスムーズに使い始めることができました。また、案件ごとにコメントを残してやり取りできるため、履歴がすべて残っていく点も非常に使い勝手が良いと感じています。」

活用方法と工夫:「やりやすい型」を2ヶ月かけて構築。スキルの差をチームでカバー

現在の運用では、外部コールセンターが受けた一次対応の内容がRe:lationへメール形式で届き、それを内勤のメンバーが精査して後続業務にあたっています。導入初期は、現場に即した最適な運用ルールを確立するため、ラベル設定や自動振り分けの条件についてメンバー全員で議論とアップデートを重ねました。

現在は、複数拠点に分散しているメンバーがリアルタイムで状況を共有し、個々の得意分野を活かした案件の割り振りや、滞留している案件への相互フォローを行うことで、チーム全体の生産性を高めています

香取氏:「現在は、コールセンターから届くメールをRe:lationで受信し、内容に応じて現場への折り返しや図面確認などを行っています。導入当初の2ヶ月間は『型作り』の期間として、メンバー全員で最適な『ラベル』や『自動振り分け』の仕組みを試行錯誤し、毎月アップデートを繰り返しました。今では得意先や案件種別ごとに最適なラベルが自動付与される仕組みが確立されています。」

田中氏:「最大のメリットは、メンバーの『得意・不得意』を補完し合えるようになったことです。スキルが異なる7名の体制ですが、対応履歴を見て『この案件はあの人が得意だから』とスムーズにパスを回せます。事業所をまたいで勤務していても、物理的な距離を感じさせない連携が可能になりました。」

小野寺氏:誰かが案件を抱え込んでしまっても、他のメンバーが内容を見てすぐにフォローに入れます。進捗ステータスが明確なので、余裕がある人が案件を肩代わりするといった柔軟な対応もできるようになりました。」

導入の効果:半年間で2,200件超の案件を管理。生産性向上と「支え合う文化」の醸成

導入後の半年間で、同チームが取り扱った案件数は2,200件超にのぼります 。以前のような属人的な管理では対応漏れが発生してもおかしくない膨大な数ですが、Re:lationを活用することで、組織としての対応力が飛躍的に向上しました。

香取氏: 「半年間で2,200件以上の案件があり、そのうち約20%を完結させることができました。以前は受信箱を覗きに行かなければ分からなかった進捗が、Re:lationのダッシュボード機能によって分析までできるようになりました。誰が何をしているか明確になり、チームで効率よく案件を処理できていると感じています。」

田中氏: 「メンバーのスキルにはバラつきがありますが、Re:lationがあることで、個人で案件を止めず、得意な人へ次々とバトンを回していけるようになりました。この『滞留させない仕組み』こそが、2,200件を超える案件を捌き、生産性を引き上げている最大の要因だと思います。」

今後の展望:図面・書類管理への横展開も視野に。エンジニアリング業務のさらなる効率化を目指す

現在、Re:lationは主に電話対応の引き継ぎ管理に活用されていますが、同社ではさらなる活用シーンの拡大も検討されています。その一つが、エンジニアリング業務において欠かせない「図面や書類の受け入れ管理」への展開です。

建設現場では頻繁に設計変更が発生し、その都度、膨大な図面データがやり取りされます。現在はこれらを個別のツールで処理していますが、誰が最新版を確認したのかといった進捗管理をRe:lationへ統合することで、さらなる業務の透明化が期待されています。

田中氏: 「今後は外勤担当者の負担をさらに軽減するため、図面などの書類受け入れ業務もRe:lationで一元管理できないかと考えています。進捗フェーズをチーム全体で可視化できれば、移動の多い営業や技術担当者の動きはもっと身軽になるはずです。『見える化』による恩恵を他の業務領域にも広げていきたいですね。」