潜在顧客と顕在顧客、見込み顧客の違いとは?アプローチ次第で優良顧客に!

business man push dart to dartboard,concept business targeting and and marketing goal
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潜在顧客の発掘は、顧客獲得のための効率策。潜在顧客を顕在顧客化するには、アプローチ法の選定やタイミングも重要です。ここでは、潜在顧客、顕在顧客、見込み顧客の違いを解説し、潜在顧客の見つけ方、発掘方法、各方法で考えられるアプローチ手段を説明します。多種多様なアプローチ法の中から、顧客に合った方法を選定していきましょう。

見込み顧客と顕在顧客、潜在顧客の違いとは?

Technical and performance analysis

企業の顧客は、いくつかのタイプに分けられます。「潜在顧客」とは何かを知るために、見込み顧客・顕在顧客との違いを解説します。営業やマーケティングの活動でそれぞれにアプローチを変える必要があるので、しっかり区別しておきましょう。

潜在顧客

潜在顧客とは、自社の商品やサービスを知らない顧客のことを指します。

「そのようなものは興味も関心もない」となる顧客ではなく、存在を知れば購入や利用の可能性のある顧客です。「こんなものがほしい(必要)」という自分のニーズを認識している顧客と、自分でそのニーズに気づいていない顧客もいます。いずれにしてもきっかけを提供する必要があります。

顕在顧客

顕在顧客は、自分のニーズも商品やサービスの存在もすでに認識しています。自社の商品やサービスに対しての興味・関心度は高く、限りなく購買や利用に近い顧客のことです。すでに過去に利活用している顧客も含まれます。

見込み顧客

見込み顧客は、顕在顧客と同等の意味で使われることもあります。見込み顧客も自分のニーズ、商品やサービスの存在を知っているという点で潜在顧客と異なっています。見込み客には、興味を持っている初期、相談、比較・検討を行う中期、購入を予定する後期の段階があり、企業(営業側)には、その段階かが分かっています。

潜在顧客の見つけ方

顕在顧客や見込み客との違いが分かったところで、本題の潜在顧客の内容に入ります。潜在顧客は「知らない」「気づいてない」層ですから、見つけ出すことが先決です。

見つけ方には、以下のような方法があります。

STP分析

  • S … セグメンテーション分析
  • T … ターゲティング
  • P … ポジショニング

既存顧客の特性を分析して、どのような人(企業)にニーズがあるのかを探りましょう。その商品やサービスを欲しがる人は、どんな特徴を持つかということです。

たとえば、個人であれば、性別、年代、住所、職業(役職)、趣味、既婚・未婚・子持ちなどの属性、企業が対象であれば、業界、業種、企業規模、所在地、ポジションなどで分類できるでしょう。これを、セグメンテーション分析(S)といいます。

見えてきた特徴(セグメンテーション)をベースに、自社がターゲットとする層を絞り込んでいきます。いわゆるターゲティング(T)です。

そして、競合との差別化を図るために自社の商品やサービスのどの点を強みとして訴求していくのかを決めます。これがポジショニング(P)です。

適切な媒体でPR

適切な媒体とは、潜在顧客の目に触れる媒体です。

STP分析で得たターゲット内容や分析結果にフィットする媒体で自社、商品やサービスの紹介、ニーズの発見を喚起していきます。テレビCM、チラシ、新聞・雑誌、WEBなどさまざまな媒体が考えられます。

WEB上なら、よく閲覧していると考えられる媒体にリスティング広告を出したり、メルマガを配信したり、それぞれから「認知」を引き出すことも可能です。

まずは、自社、商品やサービスの存在を知ってもらうため、もしくは、ニーズを引き出す目的で情報を提供し信頼や親近感を得てから、自社、商品やサービスに誘導していきます。

潜在顧客の発掘方法

Analyzing chart

では、潜在顧客を発掘する方法をお伝えします。ターゲット層がどのような人(企業)なのかで効果的な方法は異なります。それぞれの特徴とのマッチ度をよく見極めて、ベストな方法を選択しましょう。

WEB広告

WEB上にある媒体の集客・閲覧率を利用して、より多くの人の目に留めることのできる手法です。WEB広告には、検索エンジンにヒットしやすくするリスティング広告やFacebookやTwitterなど情報の拡散が見込めるSNS広告などがあります。

いずれも運用が必要ですが、顧客が各プラットフォームをよく活用している場合は、潜在顧客の発掘効果も高いでしょう。

オウンドメディア

オウンドメディア、企業サイト、ブログ、メルマガとの連携も可能になる自社メディアです。制限がないため、作成の自由度が広がり、意図した情報をしっかり届けられるのがメリットです。さまざまなコンテンツを盛り込むことができ、そのコンテンツで活用幅を広げることもできます。

オウンドメディアにたどり着いてもらうには、検索結果の上位に表示させるためのSEO対策も必要になるでしょう。

展示会やセミナー

大勢の人が集まるところも潜在顧客を見つけるチャンスがあります。セミナー開催は特にBtoBで高い効果が見込めます。関連した展示会への出展や情報提供となるセミナーを開催で認知度を高めることができます。

こういった機会を活用する人たちは、もともと情報を求めているため、比較的スムーズな訴求が可能でしょう。展示会の出展はコストが大きめになるのが難点かもしれません。セミナーの場合、近年ではWEB上での開催も盛んになってきています。

ダイレクトマーケティング

電話、FAX、DM送付などでのダイレクトマーケティングを行う方法もあります。ダイレクトマーケティングでは、潜在顧客リストの入手・作成が肝となります。1からの作成となるとかなりの工数と時間を要します。データベースサービスなどで一括入手するのも効率策となるでしょう。

プレスリリース

プレスリリースは、新聞、雑誌、ニュースサイトなどで取り上げてもらう方法で、多くの人の目に留まる可能性の高い方法です。必ず掲載してもらえるとは限りませんが、その媒体の認知度や信頼性もパックアップ要素になるはずです。 

潜在顧客へのアプローチ方法

近年では、企業側が積極的にアプローチを仕掛けていくアウトバウンドマーケティングだけでなく、消費者やユーザーからの能動的なアクションを期待するインバウンドマーケティングも盛んになってきています。

上記で紹介した発掘方法もそれぞれ、インバウンドとアウトバウンドに分かれます。ここで、それぞれの発掘方法におけるアプローチのポイントや注意点を確認していきましょう。

インバウンド

Inbound marketing 51

インバウンドマーケティングは、顧客の状況やアクションに合わせてアプローチしていく手法です。比較的低コストで行えるものが多く、さらに作成・活用したものを長く使っていけるという特徴を持ちます。即時効果はあまり期待できませんが、継続的に効果につなげていけるのがメリットです。

KPI設定、分析、改善が欠かせないため、小さくはじめてPDCAを回しながら運用していくことが成功のポイントとなるでしょう。インバウンドマーケティングの手法として、オウンドメディア、SNS、セミナー、ホワイトペーパーなどがあります。

オウンドメディア

オウンドメディアは、オウンドメディアにたどり着いてもらうことからはじまります。

潜在層にリーチできるサイトにするには、発信する内容をターゲット層のニーズに合わせ、SEO対策をして配信します。また、一定量の記事数(情報量)を揃える必要があります。これらの取り組みによって、複数回の閲覧、継続的な閲覧にもつながっていきます。

自由にコンテンツを組み込んだり、他媒体と連携したりといったことも可能ですから、流れや仕組みをうまく使ってアプローチしていきましょう。オウンドメディアでは、この段階が得られてこそ、潜在顧客の顕在化に向けた適切なコミュニケーションが取れるようになっていきます。

SNS

FacebookやTwitter、InstagramといったSNSは、自社対相手で完結させるのでははく、つながりというSNS特有の長所を活かすことがポイントです。広告配信、カテゴリ指定などをうまく使うとターゲット層にリーチしやすいです。

好印象、共感性、親近感を喚起する配信をして、いいね!やシェアを集めていきましょう。信頼を得るには、継続的な運用も条件となります。

自社アカウントのフォロワーはもちろん、いいね!やリツイートなど反応数が増える分、より多くの人に見られる可能性は拡大します。マイナスな情報も同じく拡散されやすいこと、「炎上」が起きてしまうと、マーケティング効果を失うだけでなく、損失につながるリスクがあることも認識しておきましょう。

セミナー

セミナーの開催にあたっては、申込みから開催後のフォローまでの仕組みづくりが重要です。とくに無料開催にしている場合は、参加ハードルは低くなりますが、その分放置・欠席の可能性も高くなります。申し込まれた後、つなぎとめる工夫が必要になってくるでしょう。たとえば、申し込み者限定のメール施策や申し込み者参加型の施策なども有効です。

ホワイトペーパー

ホワイトペーパーも顧客の顕在化を促すことに効果的な手法です。作成の手間はかかりますが、活用幅が広く資産として使っていけることがメリットです。上記の手法とも組み合わせやすく、相乗効果が期待できます。

潜在顧客を対象とするホワイトペーパーは、まだ興味喚起の段階であることを、気づきを促すことを意識する必要があります。詳細の内容を記載する特質を持つホワイトペーパーですが、5ページ前後など短めの内容に抑えるのが得策です。

アウトバウンド

Businessman attracts by magnet on a yellow background. Business and leadership concept.

アウトバウンドは押しのマーケティングスタイルで、積極的にPRをしていきます。インバウンドな活動に比べると、比較的短期決戦に向いているのがアウトバウンドマーケティングです。

一定のコストがかかり、そのときだけの効果しか見込めない点はデメリットかもしれません。ただ、予算設定が立てやすく、成果の予測がしやすいという特徴があります。アウトバウンドの手法としては、リスティング広告、展示会、テレアポなどがあります。

リスティング広告

リスティング広告を行う場合は、掲載チャネルとの相性(効果)が重要になります。そのため、初期段階では小さくはじめて検証・分析しながら最適なチャネルを探っていくのも一手でしょう。

キーワード設定やターゲット確認など知識やコツを掴んでおくことも求められ、そのプロセスの工数が煩雑になることは否めません。社内運用が難しい場合はアウトソースすることで効率、効果ともに高くなる可能性があります。

展示会

展示会の開催は、BtoBに向いている手法です。集客は、リストからのメール送信、メールからWEBへの誘導などで喚起、開催後にお礼のメールを送信するという流れが一般的です。

有力なリードは営業にバトンタッチし、潜在顧客に関しては、上記のインバウンドの手法につなげて顕在化への流れを保つことが大切です。お礼メールに開催内容をまとめた資料のダウンロードページを記載したり、サイトにQ&Aのまとめがあることを伝えたりするのも有効です。

テレアポ

テレアポはアポインターのトークスキルが必要とされるため一定の教育が必要ですし、人材コストもかかります。

潜在顧客に対しては、アポイントを取ることや売り込みのトークよりも「現状の聞き出し」が重要になってくるでしょう。聞き出しによって得られた情報が、その後の効果のあるアプローチを見出す貴重な材料になります。

潜在顧客ごとに最適なアプローチが必要

潜在顧客の発掘のための有効手段は多種多様な選択肢があります。しかし、個々の潜在顧客の視点に立つと、本当に有効で最適なアプローチ方法は絞られるのです。

潜在顧客へのアプローチは、顧客の状況や興味関心の度合いを見極め、内容やタイミングを測りながら進めていくことが、顕在顧客につなげるポイントといえるでしょう。

ABOUT US
T.Wada
まだコンピュータが1枚の基盤だった頃からITとともに育つ。約10年のアメリカでのIT開発ディレクター・企業取締役を通じて海外も含めたITの歴史を肌で感じてきた。自身の経験から顧客対応がなぜうまくいかないのかを考える中でカスタマーサクセスを作るクラウドサービス「Re:lation」を開発。3男1女の父。好きな言葉は「日々勉強」。