内容の濃いメルマガを発行しているのに、開封率の低さに伸び悩んでいませんか? 実は、メルマガの開封率には件名だけでなく、発行する曜日や時間帯がかかわっていると言われています。では、どのようなメルマガであれば開封率は高くなるのでしょうか。タイトルや配信のタイミング、配信ルールなどのデータをもとに紐解いてみましょう。
目次
メルマガ開封率の調べ方・測定方法
そもそも、メルマガ開封率はどのように調べるのでしょうか。開封率を調べるポイントと測定方法を知っておきましょう。
メルマガ開封率の調べ方
メルマガ開封率を調べる際は、発行しているメルマガがHTML形式で作られていることが前提となります。メールには大きく分けて、文字表示のみのテキスト形式とHTMLタグを使って文字だけでなくイメージなども取り入れたHTML形式があります。
HTML形式の場合、データを取り込むことで開封率以外にもスクロールやクリック率などさまざまな解析に使えます。メルマガを発行する際は、必ずHTML形式で発行しましょう。
メルマガ開封率の平均値
メルマガ開封率とは、配信されているメルマガがどの程度開封されているかという確率ですが、平均値にはばらつきがあります。業種やメルマガで取り扱っている商品によっても開封率は異なりますが、間を取ると15~20%程度が開封率の平均値となります。
この数値は主に海外からのデータが元となっていて、日本での開封率データはあまりないのが実情です。そのため、平均値である15%以上の開封率があれば、高いほうだといえます。30%あればしっかり反応が取れているといえるのではないでしょうか。
メルマガ開封率の測定方法
発行済みメルマガの開封率を測定する方法は大きく分けて2種類あります。1つめは
を使う方法、2つ目はメルマガ配信ツールを利用する方法です。それぞれの方法について詳しく見ていきましょう。
Google Analyticsで測定する
Google Analyticsとは、Googleが提供しているアクセス解析ツールです。通常であれば、サイト訪問者などの解析用に用いられるツールですが、イベントという機能を使えばメルマガの開封率測定にも利用できます。
利用方法は、HTML形式のメルマガ内部の文章に、透明の画像を埋め込むコードを組み入れます。そのコードの反応率を調べることで開封数を測ります。
実際には、
<img src=”http://www/google-analytics.com/collect?v=1&tid=UA-******-**&cid=123456.12345&t=event&ec=email&ea=open
から始まるURLを挿入します。123456.12345のパラメータ部分は、GoogleのHit Builderというサイトから取得することができます。
参考:Google Hit Builder(英語)
このコードから取得された開封数は、Google Analyticsのレポート、行動ページからイベントページの概要にて調べることができます。この開封数をメルマガの送信成功数で割ることで、開封率がわかります。
メルマガ配信ツールで測定する
有料のメルマガ配信スタンドを使っている場合、配信スタンドによっては、メルマガの開封数やメルマガ内リンクのクリック数を算出できるツールもあります。Google Analyticsでの解析は手間がかかるため、時短にするなら、このようなツールがあるメルマガ配信スタンドを選んでみてはいかがでしょうか。
メルマガ開封率が測定できないケース
Google Analyticsやメルマガ配信ツールを使うと開封率が測定できるとお伝えしましたが、実際には開封率が測定できないケースもあります。
テキストメール
例えば、Google Analyticsでの解析にはHTMLメールが必須となるため、テキストメールでの解析はできません。
画像添付型メール
また、HTMLメールであっても、画像をメールに添付して配信するデコメール形式のメールではメール内部のリンクからアクセスするわけではないので、測定できません。
メーラーのセキュリティ設定
受け取り側が使っているメーラーに画像のセキュリティ機能がある場合、画像が勝手にダウンロードされないように設定されている可能性があり、この場合も画像からのリンクを読み込めないため開封率は測定できません。
キャリアメール
ドコモやソフトバンク、auなどスマートフォンのキャリア会社から提供されるメール機能(@docomo.ne.jp、@softbank.ne.jp、@ezweb.ne.jpが続くアドレス)は画像添付型メールのため、開封率は測定できません。
このように、HTML形式で発行したメルマガであっても、画像添付形式やセキュリティ設定などによって正確な開封率が割り出せないこともあるので注意しましょう。
曜日や時間帯によってメルマガ開封率も変化する?
メルマガを読むのは人である以上、生活リズムによって、開封するかどうかが決まります。また、開封するタイミングもたいていは配信されてから1時間ほどで開封率が高くなりますが、最高でも配信から6時間ほどで開封率は下がってしまいます。そのため、メルマガの開封率をあげるためには、発行する曜日や時間帯に配慮することが大切です。
一般には、火曜日と水曜日、そして、早朝や夕方といった比較的時間に余裕ができる曜日や通勤、帰宅時間帯がもっとも開封率が高くなっています。つまり、全般的な開封率を高くしたいのであれば、これらの日時や時間帯を狙うといいでしょう。
ただし、コアな読者層を狙うのであれば、読者のライフスタイルを把握したうえでの配信が万全です。そこで、読者層をBtoB、BtoCに場合分けしてアプローチ法を見ていきましょう
BtoBの場合
BtoBとは、企業同士における取引のことです。つまり、メルマガを配信したとしても、読者層となるのは、ビジネスマンが多くなります。そのため、平日の早朝やランチタイム、夕方から夜にかけての帰宅時間帯に読まれやすく開封率も高くなります。
特に夜や早朝にチェックするメールは、同僚や取引先との話題作りにもつながるため開封する人が多くなっているので、この時間帯を有効利用しましょう。
BtoCの場合
BtoCとは、企業と消費者との取引のことです。例えば、大学生向けに発行されているメルマガや主婦層をターゲットにしたメルマガなど消費者にはさまざまなジャンルがあります。読者層が大学生であれば、通学途中にあたる平日の朝と夕方、バイトをしている人であれば、夜の21時~23時くらいの開封率が高くなります。
主婦であれば、家族を送りだして家事が落ち着き、手があき始める平日の午前10時から午後14時ごろにかけての時間帯がゆっくりとメルマガを読める時間と言えます。
シニア層であれば、起床する時間帯が早い方が多い朝方から午前中が狙い目です。午前8時から12時ごろを目安に送付するといいでしょう。
連休明けは購買意欲もクリック率も下がりやすい
メルマガの開封率が上がる曜日や時間帯がある一方で、開封率が下がりメール内リンクのクリック率も下がってしまう曜日があります。
例えば、連休明けには注意しましょう。連休中は家族サービスやデートなどで財布のひもが緩んで支出も多くなりがちです。そのため、連休明けには支出を減らすべく、購買意欲が下がる傾向にあります。付随して、メルマガ内の商品リンクへのクリック率も下がりやすくなってしまいます。
同じ平日に配信するのであれば、月曜日よりも火曜日、水曜日というように中日を選ぶほうが開封率やクリック率もあがるでしょう。
メルマガ開封率とデバイスの比率
パソコンやスマホ、タブレットなど、使用しているデバイスによっても、メルマガの開封率に差が出てきます。業種によって、それぞれのデバイスを使用している比率の高さも異なるため、メルマガを発行する際は、デバイス比率を参考にして、どちらをターゲットにするか、内容の構成や送付のタイミングを決めるといいでしょう。
パソコン
パソコンでメルマガを読む人は、主に仕事関連での購読が多くなっています。たとえば、オフィスでビジネスマンが朝に読んでいる、昼休みに読んでいるという状況を想像してみてください。業種で考えると、オフィスでパソコンを使っている業種、つまり、保険業、Web開発業、法律や会計などの専門職、行政などが挙げられます。
モバイル
スマホやタブレット、携帯電話などモバイルツールでメルマガを読む人は、オフィスというよりも外出先や通勤時に開封するケースが多くなります。
業種別に見ても、託児関係や美容室、フィットネスジムなど、デスクワークよりも立ち仕事がメインとなっています。これらの職場は女性が多く、モバイルを日々活用している様子がうかがえるのではないでしょうか。また、美容室やフィットネスジムでは顧客からの予約を確認するためにモバイルを使う傾向にあり、その際にメルマガを読むケースも見受けられます。
メルマガ開封率を上げるポイント
メルマガの開封率は、配信する曜日や時間帯、業種だけでなくメルマガの内容によっても異なります。とくにタイトルや配信内容など、工夫をすればそれだけで開封率をアップさせるポイントもあるので、詳しくみていきましょう。
件名(タイトル)
メルマガの第一印象を決めると言っても過言ではないのが、件名(タイトル)です。読者がメーラーを起動したときに、一番に目に入るため、件名いかんによっては、読まずに削除されてしまうことも大いにあります。そこで、いかに興味を引く件名をつけられるかが開封率を上げるカギとなります。
件名を決める際に、初めに確認したいのが文字数です。こちらもターゲットとなるデバイスやメーラーを基準に決めるといいでしょう。例えば、パソコンでの読者をターゲットとしているのであれば、およそ25~30文字ほどがインパクトを与えやすくなります。これくらいの文字数があれば、メルマガの内容を要約できるので、しっかりと読者の気を引きつけられるでしょう。
反対に、スマホやタブレットなど小型のデバイスの読者をターゲットとするのであれば、メーラーを起動したときに一目でわかる文字数にしましょう。文字数にして14~15文字ほどが目安となります。具体的には、Android端末では15文字、iPhoneは14文字なので、14文字に合わせるといいかもしれませんね。ただし、モバイルを対象とする場合、文字数が少なくなってしまうので、内容も端的に示す必要があります。
では、具体的にはどのような件名をつければ読者が読みたいと興味を示すのでしょうか。大切なことは、こちらから「読んでください!」と押し進めるのではなく、読者が自然に読みたくなる件名をつけることです。
あからさまに、読むことを強制しては読者が離れ開封率も下がってしまいます。あくまで、読者にとって、「どんなことが書いてあるのかな?」「自分の役に立つことが書かれてあるかな?」「今回も話題作りに活かせそうだ」というように、興味を示す件名を心がけましょう。
また、キーワードを組み込むのも効果的です。例えば、「期間限定」「あと〇時間」というあおり型、「あなたにだけ教えます」というような情報提供型、「特別サービス」「メール提示で〇〇割引」などのサービス型など、読者が興味を示す文言を上手く使いましょう。
配信元(差出人)の設定
件名と共に読者の目を引くのが、配信元(差出人)の設定です。読者に安心感を与えるためには、企業名は必ず入れるようにしましょう。
最近では迷惑メールも増えているため、差出人に心当たりがない場合、読まずに削除するケースもよく見られます。企業名に加えて、販売しているサービス名や担当部署、担当者名を入れると、より分かりやすく読者に安心感を与えられるため開封率も上がります。ただし、件名同様、長くなりすぎると読みづらくなってしまいます。企業名と担当者名など、端的な表現を心がけましょう。
開封されやすい曜日・時間を狙う
冒頭でもお伝えしましたが、メルマガの開封率は曜日や時間帯によってかなり異なります。また、読者のメーラーにはメールがどんどんと送られるため、配信されてから1~2時間以内が確認しやすく、最も開封される傾向にあります。
そこで、開封率を上げるべく、メルマガのターゲットを基準に配信曜日や時間帯を決めましょう。例えば、ビジネスマンがターゲットであれば、朝や夕方から夜にかけての通勤時間と、ランチタイムを。特に、仕事のネタになりそうな内容を配信しているのであれば、朝の通勤時に読めるように夜間や朝の配信が狙い目です。
逆に、主婦をターゲットにするのであれば、休日は家族と過ごすためメールを確認できないケースがほとんどです。平日の午前中は家族の送り出しや家事も溜まっているので、比較的手があく10時~14時ごろにしましょう。
シニア層では、早起きをして活動される方が増えるため、午前中8時~12時ごろの配信が好まれます。
また、配信曜日としては、月曜日や連休明けは休日の疲れが残り購買意欲も落ちる傾向にあります。週に1度の配信であれば、火曜日や水曜日がもっとも開封率が高くなります。
配信曜日や配信時間は、ターゲットによって異なるものです。自社のメルマガ読者の属性を確認して調整すると開封率も上がるでしょう。
配信ルールの設定
貴社のメルマガは、どのようなタイミングで配信をしていますか。もしかして、メルマガの内容が書きあがって推敲次第すぐに配信をしている。送付するタイミングは毎回バラバラということはありませんか。
メルマガ発行に際して、必ず押えていただきたいのが、送付するタイミング、配信ルールの設定です。このとき、企業側でのタイミングではなく、読者側のタイミングを考えてルールを決めましょう。
読者側としても、何曜日の何時ごろに配信されるということがあらかじめ分かっていると、開封行動が予定に組み込まれやすくなります。そのためにも、先ほどお伝えした、開封率が上がる曜日や時間帯を深く考える必要があります。
また、メルマガ内部にも、「このメルマガは〇曜日の〇〇時に配信しています。」と記載しておくと、次回の配信を心待ちにするファンが増えていきます。読者が読む意欲を自然と持つように配信ルールを設定するといいでしょう。
画像を利用した視覚効果
開封率を調べるにはHTML形式のメルマガを発行しなければならないということはお伝えしましたが、せっかくHTML形式を使うのであれば、視覚効果を最大限使用しましょう。
HTML形式では、タグを上手く活用することで、画像や文字装飾をおこなえます。HTMLメールは、テキストだけでなく色や柄のある画像が入ることで、見た目にも印象が明るくなり読みやすくなるため、開封率も高くなります。画像を見た瞬間にメールの要点が一目でわかるように工夫してみてはいかがでしょうか。
ABテスト
ABテストとは、字のごとく、A形式、B形式というように複数のメルマガパターンを使って開封率チェックをおこなうテスト法です。
同じ読者属性であっても、文字が多い方が好まれるのか、画像が多い方が好まれるのか、配信時間帯によってどの程度開封率が異なるのかなどを判別します。ABテストを上手く活用して結果を次回内容に反映させると、より開封率が高いメルマガが作れるでしょう。
セグメント配信
セグメント配信とは、顧客のジャンルを分類して(セグメンテーション)、そのセグメントごとに内容を変えてメルマガ配信する方法です。
もっているリストの全顧客へ一斉配信すると共通的な内容は届くものの、顧客が個別に必要としている内容は届きにくくなります。
セグメント配信を上手く取り入れると、顧客を性別や世代、職業、業種などに区分してニーズに合った情報を配信することができるようになり開封率も上がりやすくなるメリットがあります。
リストの見直し
メルマガ配信において定期的におこないたいのがリストの見直しです。読者のメールアドレスの廃止や受信拒否などで配信するメールが届かなくなると配信エラー率が高くなってしまいます。
エラー率が高くなると、メールサービス上で迷惑メールとして扱われるリスクも高くなるため、読者が受信に気づかないケースも散見されます。基本的にはエラー率が配信母数の1%以下であるように、リストを定期的に更新していきましょう。
マルチパート配信
マルチパート配信とは、HTML形式のメールを読者が読めない場合、テキストを表示させる機能がついた配信設定です。
読者によっては、メーラーの設定で画像表示を拒否している場合やHTML形式のメールを受信拒否している方がいます。そのような読者にもメルマガを配信するため、マルチパート配信は必須です。配信スタンドを決める際に、マルチパート配信が可能かどうかをあらかじめ調べるといいでしょう。
テキストメールは実はクリック率が高い?
開封率の確認という観点からは、HTMLメールが優れています。HTML形式は画像が使われていて見栄えもするため、利用する企業も増加傾向にあります。
その反面、実際のクリック率を調べてみると、HTML形式よりもテキストメールのほうが高くなっているという事実があります。確かに、絵や写真がカラフルに使われているメールよりも、シンプルにテキストが並んでいるほうが読み進めやすくリンクURLもクリックしやすいといえます。
開封率が調べられないというデメリットはあるのもの、クリック率を重視するのであれば、テキスト形式での配信も視野に入れてみてはいかがでしょうか。
小さな設定の見直しで開封率を上げる
メルマガを効果的に活用するには、いかに読んでもらうか、すなわち開封率を上げる方法が課題となります。
キーポイントは業種や読者の属性をつかむこと。その上で、件名(タイトル)、配信元(差出人)、配信ルール(曜日や時間帯)など、読者が興味を引いて読みたくなる設定を心がけましょう。
エラー率が高いと迷惑メールに振り分けられる可能性が高まります。ABテストやセグメント配信を活用して、読者の離脱を防ぎ、定期的なリストの見直しをおこなってエラー率を1%以下まで下げるようにします。
開封率を上げるためにも、小さな設定の見直しをすすめていきましょう。