業務効率化ツール導入前のポイントや課題別に適したツールについて

業務効率の向上は、常に企業の経営課題でもあります。業務の効率化は生産性を向上させ、利益を創出する原点です。商品の品質やサービスの価格が競合企業と同じであるならば、業務効率の高い企業が市場においては有利と言えるでしょう。ただし、さまざまな改善活動で業務の効率化を進めてはいるものの、なかなか思った結果が出せていないとお悩みの方もいるでしょう。そこで今回は、業務効率化の要となる業務効率化ツールの概要と導入のポイント、その活用法などを解説していきます。

業務効率化ツールとは?

はじめに、業務効率化ツールにはどのようなものがあるのかを解説します。一般的に業務効率化ツールとは、IT技術を活用して業務を効率的に進めるためのアプリケーションを指します。データの蓄積や分析、業務の自動化などの機能のほか、社員同士のコミュニケーション活性化や情報共有にも効果を発揮します。業務効率化ツールを活用して業務の自動化やプロジェクトの効率的な管理が実現できれば、コスト削減や利益率の向上につながります。

コミュニケーションツール

コミュニケーションツールとは、お客様や社員とのコミュニケーションを効率的に行うためのツールです。従来、お客様との打ち合わせには専用線や電話回線を用いたテレビ会議システムや電話会議システムなどが用いられてきましたが、近年ではIT技術や通信技術の発達もありWeb会議システム(Zoom、Teams、Skypeなど)が用いられるようになっています。また、ビジネスチャット(Chatwork、Slackなど)やグループウェア(Google Workspace、サイボウズなど)もコミュニケーションツールとして積極的に利用されています。

業務管理ツール

ワークフローシステムやタスク管理ツール、問い合わせ管理システム、プロジェクト管理ツールなど、さまざまな業務管理を効率的に行うためのツールで、業務を行う職種の特性に合わせて多くの種類がリリースされています。

バックオフィス管理ツール

業務管理ツールの中でも、人事・経理業務を効率化するツールは、バックオフィス管理ツールとして区分されています。バックオフィス管理ツールには人事管理システムや会計システム、入金管理システムなどがあります。

顧客管理や営業支援

営業支援や顧客管理、マーケティング支援のためにも多くのツールがリリースされています。また、これらはマーケティング力強化のためのツールであるため、SFA(営業支援システム)とCRM(顧客管理システム)、MA(マーケティングオートメーション)ツールなどがひとまとめになったビジネスアプリケーション(salesforce、Microsoft Dynamics 365など)も近年は人気があります。

業務効率化ツール導入のポイント

業務効率化ツールを導入する場合には、以下のように考慮しなくてはならないいくつかのポイントがあります。

効率化する目的と領域の明確化

ツール導入の検討時には、ツールを適用する目的と領域を明らかにして、業務フローを整理します。これにより無駄な工程や非効率な工程、業務上の課題も明確になります。また、整理の過程で本来必要でない工程が明らかになれば、無駄にツールを導入する必要がありません。非効率な工程が見つかれば、ツールを導入することによって、その工程にある課題が解決できるかを検討します。

効果の予測

非効率な工程や業務上の課題が明確になったら、ツールを導入することによって生まれる効果を予測します。効果は費用対効果を計算するためのコストと、コストに換算できない効果を予測します。コストに換算できない効果には、属人化の解消や人材の流動性向上、不正防止、業務効率化による競争力向上などがあります。

費用対効果

上記で算出したツール導入により削減できるコストと、費用対効果としてツールへの投資額を比較します。ツールの導入には上記のようにコストに表せない削減効果もありますが、投資を判断する経営陣への提案には明確な費用対効果を示す必要があります。また、ツール導入による効率向上の効果は、その業務を扱う従業員のモチベーション向上にもつながることでしょう。

セキュリティ性

業務の内容にもよりますが、扱う情報によってはツールが持っているセキュリティ性の高さが問題となります。個人情報やお客様のビジネスに関する情報は、情報漏えいなどがないようにしっかりと管理します。導入しようとするツールが守るべき情報をしっかりと管理できるかどうか、どのような機能でガードするのか、導入前にチェックしておきましょう。情報漏えいは、企業の存続に影響する重大事故となる可能性があります。

課題に適した業務効率化ツールの活用法

最後に主な業務効率化ツールはどのような課題を解決するために活用されるのか、その課題別の活用法について説明します。

効率的な営業と顧客情報の管理のための活用法

  • SFA(Sales Force Automation:営業支援ツール)

お客様に対し効率的な営業を行うため、案件管理や営業パーソンの行動管理、予実管理、商談の進捗状況管理、顧客情報管理などを行うツールです。従来はブラックボックスのようになっていた営業の進捗状況や、お客様との関わりを見える化するために用いられます。

  • CRM(Customer Relationship Management:顧客管理ツール)

CRMを直訳すれば顧客関係性管理ですが、実際にはお客様の属性(氏名や所属企業、役職、部署、性別や居住エリア、嗜好、年収など)や購入履歴を管理し、お客様の属性に応じた効率的なキャンペーンに用いられる顧客管理ツールです。このほかにも名刺管理や人脈管理、リードナーチャリング(見込客の育成)の機能を持つツールもあります。

  • MA(マーケティングオートメーション)

MAはマーケティング活動を自動化し、効率的に見込顧客を育成することを目的としたツールです。実際には販売促進活動やキャンペーン、お客様への情報展開を効率的に行うために用いられます。ツールによって機能は違いますが、一般的には見込客の管理機能(自社Webや展示会、セミナーへの訪問履歴)、スコアリング機能(見込客が購買に至る確度算出)、シナリオ作成機能(見込客の行動を予測し、それに対するアクションを決める)、キャンペーンやセミナーの案内メール自動発信機能、マーケティングのレポーティング・分析機能などを持っています。

営業で生み出した利益を失わないための活用法

  • 会計システム

会計システムとは、お客様への請求書送付や入金管理など、営業が売り上げた利益をしっかり管理するために用いられるツールです。それと同時に適正な財務報告するために損益計算書や貸借対照表、キャッシュフロー計算書などを作成するためのツールでもあります。通常は経理部門に導入され経理業務の効率向上に用いられます。

  • 人事管理システム

人事管理システムとは、人事考課(評価)や人事異動、勤怠管理、新卒採用やキャリア採用といった人事業務を効率化するツールの総称です。社内の人員や採用した人員を適材適所に配置し、組織の効率向上と属人化防止、不正防止などのためにも使われます。

  • グループウェア

グループウェアとは、従業員のスケジュールや業務管理などの情報を共有し、コミュニケーションと業務効率を向上させるツールの総称です。一般的にはメールやスケジュール管理、タスク管理、掲示板やチャット機能が実装され、情報の共有を密にして業務効率を向上させるために用いられます。

  • プロジェクト管理ツール

プロジェクト管理ツールは、ソフトウェア開発や研究開発などのプロジェクトの進捗を管理するために用いられるツールです。プロジェクト全体の進捗管理や各タスクの進捗状況管理、情報共有、開発メンバー管理や予算の管理機能などが実装されています。

企業や商品の価値を失わないための活用法

  • 問い合わせ管理システム

問い合わせ管理システムは、商品やサービスに対するお客様からの問い合わせ全般を管理するツールです。以前はお客様サポートや問い合わせ窓口は、コストがかかるだけで利益を生まない部署だと思われてきました。しかし、SNSや口コミが発達した現在では、ちょっとした顧客対応の間違いが企業価値や商品の価値を大きく毀損してしまう事もあり得ます。お客様からの問い合わせに対する品質を向上させ、企業の価値を低下させないため、問い合わせ管理システムを導入する企業が増えています。

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業務効率化ツールはコミュニケーション力強化で選ぶ

業務効率化ツールに共通している機能は「情報の共有化」と「コミュニケーションの強化」です。情報は共有してこそ価値があり、適切な共有のためには高いコミュニケーション機能を持つツールが必要です。情報の抱え込みや業務の属人化は、企業全体の生産性を下げ、不正の発生にもつながります。業務効率化を進めるためには、各業務のコミュニケーション力を強化するツールの導入が必要でしょう。