顧客対応力の向上・強化が必要な理由とは?

colored paper with the word customer response.
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自社の顧客対応力を向上させることに力を入れる企業が増えています。顧客対応力が企業の業績を左右するともいえる時代だからです。なぜこれほど顧客対応と企業の業績の関係性が強まっているのでしょうか。ここでは、顧客対応におけるクレーム対応の重要性や基本フロー、求められるサービスの質、その強化策などについて解説していきます。

「顧客対応力」とは

顧客対応力とは、組織や従業員が顧客を理解し、求められるサービス(対応)を提供する能力のことです。

消費者やユーザーの購買活動は、リアル店舗だけでなくオンラインでも活発に行われるようになりました。企業にとっては競合の存在がグローバルに拡大したことを意味し、顧客獲得の競争は一層激しくなっています。

商品やサービスが優れているからといって、売れる(=顧客獲得)時代ではありません。購買活動のあらゆるポイントでの顧客対応が、業績を左右するようになっているのです。このため、世界中の企業が自社の顧客対応力の強化に乗り出しています。

顧客満足はクレーム対応で決まる?

クレーム対応は、顧客対応の中でも重要な位置づけにあります。顧客満足は、企業のクレーム対応の如何で決まるといっても過言ではないでしょう。

競合他社や競合商品が市場に溢れている昨今、不満を抱く顧客は簡単に競合に移れる環境があります。問題や不満の存在を知らされるクレームは、企業にとっては顧客をつなぎとめる機会。適切な対応ができれば、顧客満足やリピートを生み出すことも可能なのです。

グッドマンの法則

アメリカで実施された大規模な消費者苦情処理調査のデータから、消費者の再購入率に関する法則が見出されました。「グッドマンの法則」と名付けられた3つの法則では、クレーム対応の重要性が示されています。

クレームの発生自体は、企業にとってマイナスかもしれませんが、クレームに対応・対処できることにはポジティブな側面があることを示唆しています。このアメリカでの調査は1970~80年代に実施されたものですが、情報量も多く確証性の高い分析が行われました。そのデータから導き出された法則もまた、現代のマーケティングに通じるものとして認識されています。

【グッドマンの第一法則】
不満をもった顧客のうち、クレームして解決に満足した人のほうが、クレームしなかった人より、再購入を決める確率が高い。

【グッドマンの第二法則】
サポート機能を備え、顧客が求める情報を適切に伝えることができれば、企業の信頼は高められる。ポジティブな口コミが広がる可能性も高くなり、購入が促進され市場拡大につながる。

【グッドマンの第三法則】
サポート機能を備えたりして顧客が求める情報を伝えていけば、企業の信頼は高められる。
ポジティブな口コミが広がる可能性も高くなり、購入が促進され市場拡大につながる。

参照:Goodmanの法則ーグッドマンの法則ー|顧客ロイヤルティ協会・佐藤知恭

クレーム対応に必要な3つの“力”

では、クレーム対応では、どのような”力”が必要となるのでしょうか。クレームを自社の好機として活かすための「判断力」「適応力」「交渉力」を説明します。いずれも、クレーム対応のトレーニングと実践上の場数が不可欠となる能力です。

判断力

クレームと言ってもその内容はさまざまで、お客様の状況や心理状態の程度も一人ひとり異なります。一定のマニュアルがあったとしても、その内容の詳細までを網羅したマニュアルを作成することはできないでしょう。

その条件のもと、すべてを鑑みて、可能な解決策の中からベストな対応を適切に取捨選択する能力が必要となってきます。事実とお客様の状況を正確に把握した上で、考えられる対応の中からコスト・時間・リスクを測って判断しなければなりません。

クレームする顧客の多くが、自分がしてほしいと思うことに素早い対応を望みます。感情的な訴えも多いです。しかし、その顧客の要望が必ずしもクレームが起きた状況を解決するベストな策とは限りません。その商品を取り巻く顧客の状況(問題)を解決できる策を判断しなければならないのです。

民間企業の場合、クレーム対応の先に期待できる顧客満足を獲得できるような対応が意識されることも少なくありません。法律をクリアしていることや一般常識的なレベルではなく、競合を上回る対応も求められるでしょう。

とはいえ、受け入れられない要望もあります。その場合も、対応可能な範囲でお客様の納得が得られるような地点に落ち着く判断をしなければならないのです。

適応力

クレーム対応は、お客様のネガティブな心情に触れる機会が多くなります。罵声、怒声、高圧的、脅迫的な勢いのクレームも少なくないため、対応者のストレスも大きいです。しかし、どれだけのストレスがかかるクレームでも、逃げずに対応しなければなりません。顧客が対応を求めているからです。

事情や立場を察して、ベストな解決策を回答・提案しなければなりません。クレームを顧客満足につなげるには不可欠なステップです。どれほど厳しく、難しいクレームに直面しても、「適応できる」ことが重要になってきます。

よくあるパターンの把握や基本手順をしっかり押さえることが、クレームの負荷を下げるための対策になります。その上で、クレーム対応の場数を踏んで「慣れ」ることが、適応を可能にしていきます。解決するクレームが増えるごとに培われていく自信も、冷静さを保つ支えになっていくでしょう。

交渉力

クレーム対応には、理想的な着地点にたどり着くための、交渉力も必要とされます。

クレームが発生するとき、「できない対応」を求められることも少なくありません。お客様もネガティブなストレスが発生している状態で過敏になっていることも多いです。その中でも、お互いが譲歩し合いながら、話を進めていかなければなりません。

きちんと受け入れる姿勢を見せ、お客様の気持ちを沈静化させ、安心感を引き出せないと交渉は難航します。こちらからの提案を質問形にしたり、沈黙を取り入れたりしながら建設的な対話に誘導する必要があります。

また、「申し訳ありません」という謝罪だけの対応は、さらにお客様の心理を煽る結果を招きやすいです。謝罪だけでなく、商品を購入してくれたことや、連絡してくれていることに対するお礼を述べるなど、できるだけポジティブな方向に傾けることも大事です。

クレーム対応の基本

クレームにはさまざまなものがありますが、対応には一定の型があります。クレーム対応の基本フローを確認していきましょう。

顧客の心情や事情を理解する

はじめに、お客様の心情や事情を理解することが大切です。

ネガティブな心理である可能性は高いですが、そこには企業や商品に対してだけではない、いろいろな事情が絡んでいます。商品の不具合がきっかけになり、家族や会社での不都合が発生していることもあります。商品が使えなくて期限切れになることへの焦りや、仕事上のストレスが、そのクレーム時のいらだちを膨らませていることもあるでしょう。

逆に、それほど大きな問題ではなくても、自分が気づいたことを企業や商品の向上のために伝えてくれる顧客もいます。いずれも、伝え方や口調は人それぞれのため、「クレーム」と一括りにせず、一人ひとりのお客様に向き合うことが大切です。

どういう心情や事情なのかの理解に努めることで、その後の提案や言葉の質も変わります。心のこもった対応をするために不可欠な要素です。理解できたら、理解していることが伝わるような言葉を選びしっかり伝えていくことが大切です。

  • 不快な思いをさせたことに対してはきちんと謝罪する。
  • 急いでいる、イライラしているお客様には、所要時間の確認をする。
  • 「不当な扱いを受けるのでは?」という疑念や不安を払拭するための説明を怠らない。
  • 困っている状況を察したら、理解と共感を言葉で表明する。

次のステップでクレームの内容を確認していくことになりますが、現状把握をスムーズにするためにも重要なステップとなります。まくしたてられるような場合でも、まずは相づちや間を取り入れながらしっかり聞き入れることが大切です。

事実を把握する

次は、クレームの本題に入り、事実を確認するステップです。

ときに、説明を省いて結論を急ぐ顧客もいますが、このステップを飛ばすと的外れな提案につながりやすく解決までの時間が長引いてしまいます。そうなると、顧客の不快を増長させます。スピード解決を優先するあまり(もしくは面倒に思って)省いてしまうこともあるため注意が必要です。

適切な質問によってお客様の説明を手助けし、協力してもらいながら、正確に事の全体と詳細を把握していきます。いくつかの質問に入る前に、現状把握のために質問に答えることの了承を得るといいでしょう。聞き出しながら、キーワードをメモに残していくと聞いたことを整理しやすくなります。

問題を解決する

現状を把握できたら、解決策を提示・提案するステップに入ります。

どんなに迅速であっても「では、〇〇します」という一方的な提示は適切ではありません。断定で進められると、強制的で自分の状況を無視されたような心理が生まれやすくなるからです。

明らかに自社の非であれば、速やかに謝罪とともに、交換などの手配を伝えます。無理な対応が求められた場合には、お客様の立場を理解したスタンスを保って、理由を説明した上で、代替案を伝えます。「そういう規則になっています」を理由として前面に出すのは反感を買いやすいので注意しましょう。また、説明では専門用語などを控え、分かりやすい伝達に努めてください。

お詫びとお礼

解決策に到達することができたら、再度の謝罪とお礼で締めます。自社に非がある場合はもちろんのこと、何らかの不快な心理を抱かせたことに対する謝罪です。

クレームを提起することなく競合に移る顧客もいます。クレームの内容は、自社が向上するための材料になります。クレームに対応することは、自社にとってのデメリットではありません。時間を割いて連絡をいただいたことに対しても感謝の気持ちを伝えるべきでしょう。その感謝の言葉も、何に対する感謝なのか、今後どんな行動を起こすかなど具体的に伝えると好意的に受け止められやすいです。

解決対応や社内共有

クレーム対応は、その一回の対話で解決できないものもあります。解決に向けて約束された対応が残っているのであれば、迅速に正確に対処を進めます。

また、クレーム対応の内容については、社内共有のために対応直後に時間をおかずに記録を残します。多くの問い合わせやクレームがあるときほど、その都度後回しにしないことが大切です。

顧客の不満(クレーム)から学びコンピテンシーを磨く

顧客対応が企業の業績を左右することを認識し、多くの企業が顧客対応に注力しています。ただ、何かを加えることだけを意識したサービスをしている企業も少なくありません。加えるというポジティブな側面を生み出そうとするアプローチです。確かにそれによって喜ばれることもあるかもしれません。

しかし、それだけでは必ず潜在する問題・疑問・批判といったネガティブな側面が解消されることはありません。ネガティブな側面を解消できなければ、いつまで経っても本物の顧客満足に到達するためのベースが整わないのです。

顧客の立場に立ってみると、「いろいろ加える前にやってほしいことがあるのに…」という感じでしょうか。顧客が求めていることと、企業が提供していることにギャップがあるということです。

顧客視点を持ち、その視点に合わせたサービスを提供することが、顧客対応における適切な注力方法なのです。そのためには、いつも顧客が求めているのは何かを意識する必要があります。そのようなサービスのコンピテンシー(特性)を備えてこそ、顧客重視のサービスを行なっているといえるのです。

企業の顧客対応全体だけでなく、一件一件のクレームに対峙するときも、同じことが言えます。クレームから学びながら、企業もサービススタッフも、このコンピテンシーを磨いていくことが大切です。

顧客が求めるサービスの「質」

視点を変えて、サービスを受ける顧客が企業に求めていることを考えてみましょう。

顧客と企業のはじめの接点から、継続的な関係性を築いていくために、企業はサービス(顧客対応)の提供に努めます。そのとき顧客は、企業のサービスにも「スピード」「品質」「成果」の質を求めます。顧客対応をしていく上での「スピード」「品質」「成果」とはどのようなことを指すのでしょうか。

スピード

すべての顧客が、迅速に対応してもらえることを期待します。その期待に応えるために、企業が削減しなければならないのが以下のようなことです。

  • サービスを必要としているときに対応を待たせてしまう
  • 状況把握時の理解力不足や、解決策が分からず対応が遅れる
  • ミスや間違いによって余計な時間を要してしまう
  • 進捗についての伝達や報告などを怠る(時間に対する意識が低い)
  • 効率やスピードを重視するあまり対応不足や抜けが発生し、結局時間を取る

品質

顧客対応の中での品質の要素としては、さまざまなものが求められます。たとえば、以下のようなものです。

  • ミスなく、正確な処理で対応を進める
  • 顧客に合わせて柔軟に対応すること
  • 心情や事情に対する共感など顧客を理解した対応ができる
  • 顧客に信頼感と、安心感を与えることができる
  • 受け答えや態度が好印象であること
  • 顧客にとってわかりやすい伝達ができること

成果

顧客対応の成果とは、一回一回の対応の総合的な到達地点といえるでしょう。上記で挙げたような事柄も当然含まれてくると考えます。その上で、結果として以下の点が満たすことが求められます。

  • 顧客が抱えていた問題が解決される
  • 顧客が抱いていた疑問や不満が解消される
  • 顧客の納得のいく(ときには期待以上)のサービスが提供される
  • 同じ問題が再度発生しない
  • クレームや意見が迅速に企業活動に反映される

顧客対応力の向上・強化で得られるもの

上記でご説明した顧客が求めるサービスの「質」となる3つの要素は、BtoB・BtoCを問わず、どのような業種、業態にも共通していえることです。

スピード・品質・成果を満たすことは、顧客対応力の向上や強化を図る上でも重要なポイントになります。顧客対応力の向上や強化することによって得られるものは、顧客満足度と商品価値の向上です。

3要素のうちどれかが欠ければ、顧客満足度と商品価値の向上を引き出すことが難しくなります。厳しく見ると、欠けるポイントがあれば、その欠如に対して不満やクレームが発生することもあり得るのです。顧客満足度と商品価値の向上によってもたらされるものが、他でもない収益や業績の向上となります。

スピード・品質・成果を満たす = 顧客対応力の向上や強化
顧客対応力の向上や強化    → 顧客満足度と商品価値の向上
顧客満足度と商品価値の向上  → 収益や業績の向上

クレーム対応や、顧客対応に必要なスキルに触れ、その中で、顧客のクレームや意見が、企業にとってプラスになることもお伝えしてきました。

顧客対応力を強化することは、顧客を満足させるためだけでなく、自社の商品価値の向上にもつながります。なぜなら、顧客対応の機会がクレームであっても質問であっても、自社(提供側)には見えにくく気付きにくい側面を、顧客(使用者)から聞き出せる機会だからです。その一つひとつが商品価値を向上させる重要なヒントになります。あらゆることを、くまなく逃さず聞き出すためには、スピード・品質・成果を満たす必要があります。

これからの顧客対応力の向上・強化に必要なこと

顧客対応を向上・強化するためには、どのようなことが必要になってくるのでしょうか。5つの要素に分けて、具体的に説明していきます。

顧客を知る

第一に必要となるのが顧客を理解することです。

BtoBであれば、顧客企業の情報源として以下のようなものが挙げられます。

  • 企業ホームページ
  • 決算に関わる説明会資料や財務諸表
  • 採用や求人情報

また、自社の顧客対応に対する要望や意見を募ったり、アンケートを実施したりすることも理解度を高めることに貢献するでしょう。

そこから顧客企業が抱える問題や課題を掘り出し、どのようなニーズがあるのかを見出すことができます。もちろん、訪問やカスタマーサービスでの顧客対応時に、しっかりとヒアリングすることも重要です。情報は多いほど、理解も深めやすくなります。

BtoCでは、社会的に高齢化が進んでいることもあり、とくに高齢者に対する顧客対応力を身につける必要性が高まっています。

どんなことに困るのか、どのような考え方がされやすいか、どのように対応するのが適切かは、他の属性とは異なります。視力や聴力が低下し、リテラシーや理解力が低いといった高齢者の特質を理解した上での対応が求められます。

高齢者は、何をどう話せばいいのか分からないという人や、関係のない話を持ち出し脱線しがちな人が多いと言われます。また、こちらの説明が理解できない可能性も十分にあり得るでしょう。

実は、これらのことは高齢者に限ったことではありません。こういった点に配慮するスキルを醸成することが、顧客対応全体の質を高めることにつながるのです。

目的と行動計画をしっかりと立てる

顧客対応を行う上で重要となるのが、顧客対応の目的の把握です。

顧客対応の目的が「顧客対応をすること」では、低い到達地点に留まってしまうでしょう。営業でもカスタマーサービスでも顧客対応をしますが、対応数が多くなると、顧客対応をこなすことが目的化してしまうことがあるため注意が必要です。営業、マーケティング、カスタマーサービス、販売など部門によって顧客を対応する目的は微妙に異なってくると思われます。目的の存在は、行動計画に沿って対応を進める中での判断を助け、判断を決める指針になっていくはずです。

目的に沿うゴールを明確に設定し、具体的な行動計画に落とし込んでいきます。たとえば、想定される問題やクレームを洗い出して、

  • 何を聞いておくべきか
  • どのように説明し、何を提示するのか
  • 対応可能な範囲
  • 追加で伝えるべきことは何か

などの基本フローを作り上げておくことも大切になってきます。一定の基準が設けられていることで、個々の顧客に合わせた柔軟対応も可能になっていくのです。

目的の明確化は個々の顧客対応でも行います。はじめに顧客と目的をしっかり共有し、解決に向けて、質疑応答や確認など必要となることを伝えるのです。行動計画にあたる部分です。これにより、対応の過程がスムーズになり、スピーディーな解決ができます。

課題の確認

自社の顧客対応の内容から、自社の課題を見つけ出すことができます。顧客に対応した内容やフローを蓄積し、全体的な分析を行うことで自社のプラスにつながる情報が見えてくるからです。そのためには、一つひとつの対応を記録し、ふかんや分析ができるような仕組みを作っておく必要があります。

つまり、自社の顧客対応を振り返り、的確な改善につなげていくのです。

  • 時代やマーケットに合わない顧客対応を展開していないか
  • 顧客のニーズからずれた対応をしていないか
  • 顧客対応について新たなニーズが生まれていないか

最終的な目的達成や業績アップにつながらないのはなぜか、自社がつまずいている部分に気付き、改善していくためのプロセスです。

結果の検証:リサーチと改善

改善ポイントを実際の顧客対応に反映させたら、必ず結果の検証を行います。つまり、顧客対応力を向上させるにも、PDCAが必要とされるということです。

その都度の結果は、できるだけ数値で推移が可視化できるのが理想でしょう。たとえば、登録数、問い合わせ、ページビューの他、もちろん、購買数の変化にも現れてくるかもしれません。

改善に対する顧客の反応を見ることも大切です。あらためてアンケート調査を実施することも有効ですし、ネット上にある評判やコメントなども反応を示す要素のひとつでしょう。このように反応・効果測定を行い、リサーチで改善の有効性を図り、新たな改善策を見出していきます。

ナレッジマネジメント

組織的に顧客対応力を向上させるには、顧客に対応する個々のメンバーの持つ知識やノウハウを集約させ、組織全体に反映させる必要があります。

顧客に1対1で対応する場合、顧客情報、知識、ノウハウなどが属人化しやすいからです。それぞれの持つナレッジを組織全体で共有し、活用できる仕組みを構築しておく必要があるのです。

たとえば、専用システムを使って、顧客情報や対応内容や事例を蓄積したり、対応フローやノウハウを誰もが確認できるようにしたりなどが挙げられます。そうすることで、属人化を防ぎ、どの従業員が対応しても一律の質を保つことができるのです。

多種多様な問題やクレームが起こる中、ケースごとの解決策を自社のナレッジとして活用することができるのです。蓄積する情報をもとにした、分析や改善もできるようになります。ニーズの多様化や顧客対応人材の流動が激しくなっている昨今、このナレッジマネジメントが重要になっています。

顧客対応力を磨く企業が選ばれる時代

顧客対応は、企業が収益を上げていくために重要な機能です。

商品やサービスに付加価値を付ける前に、不足や不満の解消に努めることが求められます。クレーム対応は不足や不満を解消できる機会のひとつ。顧客対応力を強化することで、商品価値を高め、収益が上がるという構図が成立するのです。

顧客視点に立ち、顧客ニーズを満たすコンピテンシーをもつ企業が顧客に選ばれていく時代となっています。

ABOUT US
T.Wada
まだコンピュータが1枚の基盤だった頃からITとともに育つ。約10年のアメリカでのIT開発ディレクター・企業取締役を通じて海外も含めたITの歴史を肌で感じてきた。自身の経験から顧客対応がなぜうまくいかないのかを考える中でカスタマーサクセスを作るクラウドサービス「Re:lation」を開発。3男1女の父。好きな言葉は「日々勉強」。