全社員一斉テレワークをやってみた結果~アフターコロナに備えて~

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2020年4月7日、コロナウィルスの感染拡大に伴い、発令された緊急事態宣言。
これを受けて、筆者の属するインゲージでも翌日の4月8日から「原則全員が在宅勤務」を開始しました。これまでも週1回のテレワークは推奨してきましたが、
「全員が一斉に家から仕事する」というのは初めての試みです。

実際、全員がリモートで勤務ってうまくいくのかな?、社員間のコミュニケーションは大丈夫?と、色々気になりますよね。筆者も、隣に先輩や上司がいない環境で仕事をすることに、なんとなく不安がありました。
(いつも分からないことや相談事があれば即これって何ですか~~!?って聞いてたもので…)

コロナウイルスによる社会不安も重なり、いつも以上に近くに頼れる人がいない不安感は募るかと思います。しかし、コロナウイルスの感染拡大によってもたらされた急激な社会の変化は、今後の働き方にも大きく影響を与えます。

不安はあれどもコロナが落ち着けども、今後はテレワーク・在宅勤務といった働き方が当たり前のものになります。 アフターコロナの世界では、うちはリモートできないよ!じゃ通用しない未来がやってきます。 テレワーク環境を今のうちに整え、その課題と対策の洗い出しを急がねばなりません。

そこで、今回はテレワークを行っている中でも最も対外対応の多いカスタマーサポートチームに協力してもらい、以下をまとめてみました。

  • カスタマーサポートの業務について(そもそも何をしているか)
  • 環境について(何を使っているか)
  • テレワーク、やってみてどう?(家で仕事するのは難しい?難しくない?)
  • 調査結果まとめ(よかったこと、テレワークにおける課題)
  • 最後に(筆者感想)

まだ一斉テレワークに踏み切れていない会社(中でもCS系部門)には活かして頂ける内容になっています!

カスタマーサポートの業務について

インゲージのカスタマーサポート(以下CSと呼称)チームの主なミッションは以下になります。
・自社製品に関した顧客からの問い合わせ対応
・営業アシスタント業務
・自社製品のマニュアル整備
・サポートに関する課題解決の為の打合せ参加 etc、etc…

環境について

まず、前提としてインゲージでは以下の環境で業務を行っています。

1人1台ノートPCを貸与(自宅に持ち帰って使用)
②メールやSNSなど外部からのお問い合わせ管理は一元管理ツールRe:lation(自社製品)を使用
③社内でのコミュニケーションはチャット・電話ツールSlackを使用
④社外の電話はAmazonConnectを使用、オフィス不在でもPCで代表電話の受電が可能

テレワーク、やってみてどう?3つの質問

上記の前提条件を踏まえた上で、実際テレワークやってみてどうだった?ということを確認する為3つの質問をしてみることにしました。以下がその質問と結果です。

質問① ズバリ、リモートでの情報共有や相談の難易度は!?

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チーム内のやりとりをリモートで行う分については、
75%のメンバーが「オフィスにいる時と同じ」品質でできていると感じたようでした。

【メンバーからのコメント】
・同僚との情報共有はRe:lationのコメント電話メモで問題なく出来るから問題ない。
 また、Slackとの連携で通知や電話が出来るため、よりスムーズにコミュニケーションを図ることができた。
・何か話したいことがある時、文字にしなければいけない点はオフィスとは違うが、
 普段からRe:lationのコメントやSlackのチャットでやり取りをしているから在宅でもあまり変わらない。
・わからないことがあれば、電話やコメントですぐに聞けるので特に不便は感じない。 


【こんな声も…】
・性格の問題もあるが、相談は対面よりすこしためらってしまう

質問② 自宅からのお客様対応のハードルは!?

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先ほどよりポイントは少し下がりましたが、メンバーのうち60%は「オフィスにいるときと同じ」ぐらいの感覚でお客様対応ができたようです。

【メンバーからのコメント 】
・テレワークになっても対応すること自体はいつもと同じ。メールやチャットの返信など特に不便なく行えている。
・電話はAmazonConnectから自宅でもできる。また、Re:lationのタイムライン機能でこれまでのやりとりの内容がわかる。同僚に一々口頭で確認して、「この問い合わせは何の話?」と聞かなくて済むので遠隔でもあまり困らない。


【こんな声も…】
・お客様からの問い合わせについて、新人なのでまだわからないことが多い。普段だと口頭ですぐに聞けるが、在宅だと電話などでの確認になる為、結果的に対応が遅くなってしまうことがある。

質問③ 部下・後輩マネジメントや指導は問題なくできる?

最後の質問は部下や後輩への指導について。難しい!と思ったメンバーが60%となりました。まだまだ改善の余地がありそうですね。

【メンバーからのコメント】
・コメントでの指示の受け止め方が違ったりしている時に気づきにくい。
・ニュアンスが伝わっているか測りにくい。より意識的に見てあげないといけない
・指導はテキストだと上手く伝わらないことも多いので、やはり電話や対面が望ましいなと思う。文章力を磨けばまた違うのかもしれない…

【こんな声も…】
・後輩から相談があれば電話で話を聞けるので、特に難しいと感じなかった。

調査結果まとめ

普段からたくさんのツールを使いこなして仕事をしているCSチームだからこそ、というのはありますが、リモートワークでもツールの活用によって、社員同士のコミュニケーションの質を保つことができます。メール共有システム、チャット、ソフトフォンなどを使うことで、社内の情報共有やお客様対応は普段通り行うことができています。

しかしリモート環境では、口頭だけではなく文章でのコミュニケーション機会もかなり増えることが分かりました。ヒアリング結果を踏まえると、主に以下2つのケースで「書く」作業量が増えています。

①報告、相談、連絡、指示などいわゆる話し合いにあたるシーン
 (コメントやチャット)

②案件の進捗状況が一目でわかるように経緯を残すシーン
 (電話メモやタイムライン)

そのため、文字でのやりとりが苦手な社員にとっては相談する為の文章作成に時間がかかってしまったり、状況を記録するにも細かいニュアンスを残せなかったりという問題が出てくることになります。

これを乗り越えるためには今後、社員の文章作成能力の底上げが必須です。
もちろん定期的な研修ができればベストですが…丁寧にそれだけを集中して教育する時間を取れない場合も多いと思います。

そこで、役に立つのがRe:lationの変更内容比較機能です。

社員が書いたメールを承認者が修正し送信することで「修正前」と「修正後」の比較ができる機能です。
熟練者の社員がより適切な内容に修正することで、教育される社員は正確な文章のお手本を学ぶことが出来ます。結構ささやかな積み重ねではありますが、毎日のメール作成業務の中で指導・育成が可能です。こうした習慣はいずれ実力に繋がります。

また、指導する側にとっても、従来のメーラーでありがちな一回一回後輩社員から転送されたメールに返事して、さらにもう一度後輩社員が正しいメールを送信するといった二重三重の手間がかかりません。

案外、あるとないとでは大違いな機能ですので、ぜひお試しください。

最後に

以上が全社員一斉テレワークをやってみた結果でした。もちろん課題もありますが、改善策の積み重ねとITツールの進歩によって克服できそうです。

そして、例に漏れず筆者も現在、在宅勤務中です。この記事も自宅から書いています。
こういう文章を書く作業中は、普段オフィスだと没頭しすぎて進捗報告を忘れてしまうことも(よくないですね)あるんですが、離れていると「報告しない限り私が何をしているのかチームのみんなはわからない!報告せねば!」という意識が生まれたな、というのは感じています。

逆に言えば、これまで何とな~く事務所に出勤して、何とな~く忙しさに流されて互いにコミュニケーションをとらずに帰る日も結構あったのではないでしょうか。
隣にいるから、言わずとも自分のやっていることを相手が分かってくれている錯覚に陥ったり、「いや聞かなくても空気読んでよ」という雰囲気になったり…

コロナウィルスの蔓延は本当に不幸なことですが、この疫病がもたらした怒涛の働き方改革によって人類のコミュニケーションは進化するのではないか!?と私は少し期待もしています。アフターコロナの世界では、もしかしたら想像もできないような方法で意思疎通を行うようになっているかもしれません。