ターゲティングメールの目的と配信・設定方法とは?配信後に注意すべき3つのこと

Top view of red paper and the text email marketing on a laptop background.
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読者全員にメルマガを送信していても思ったような成果が見られないということも多いです。その場合は読者全員が見てくれるという考えを捨てて、読んでくれる人を絞ったターゲティングメールを送るのが効率の良い方法といえます。今回はターゲティングメールの目的・配信・設定方法に加えて配信後に注意すべきことを3つのポイントに分けて紹介していきましょう。

ターゲティングメールとは

The arrow hit the highlighted target. Advertising, marketing and targeting.

そもそもターゲティングメールがどういうものかわからないという人もいるかもしれません。ターゲティングメールは簡単に言ってしまうと「ある一定の人物に向けて送るメール」です。

例えば「東京で開催する忙しい人のためのマルチタスク仕事術セミナー」の集客量をアップさせたいと考えてみましょう。そうすると、東京近郊に住んでいて仕事量が多い職業に就いている人というターゲット層が思いつきます。

もっと絞るのであれば管理職に就いている30代男性など、より明確に人物像をイメージして送ることでより成果が上がりやすくなるでしょう。 このように、ターゲット層をあらかじめ絞って特定の人にメールを送ることをターゲティングメールと呼びます。

ターゲットの属性が明確になっていない場合

このターゲティングメールのターゲットの属性が明確になっていない場合どういったことが起こるのでしょうか。

まず、北海道に住んでいる人に東京で開催するセミナーの話をしても参加することができません。また、仕事が安定していて自分の時間の確保も十分にできているなど、セミナー自体に魅力を感じていない人にも送ることになります。

そうなると、このメルマガの内容は自分に合っていないと感じてしまい、メルマガを解除してしまうケースも考えられてしまうのです。

ターゲティングメールはある一定の人にはピンポイントで必要な情報を教えてくれる代わりにターゲットの属性の明確化、つまりペルソナの設定が必要不可欠ということになります。

ペルソナというのはターゲットとなるユーザーモデルのことを指します。今回でいえば東京近郊に住む自分の時間がなかなか作れない30代管理職の男性といった具合です。 ターゲティングメールにはどのような人が読むのかをより絞って考えることが大切ということを覚えておきましょう。

ターゲティングメールのメリット

ターゲティングメールは全配信型のメルマガと違うメリット・デメリットが存在しますので、自分のメルマガに合っているのかどうか事前に考えておく必要があります。

では、ターゲティングメールのメリットはどういった点があるのでしょうか。

ターゲティングメールのメリット

  • 読者が欲しい情報や商品などを配信することができるメルマガになるので、読者の信頼度や満足度が上がりメルマガの解除率を下げることが見込める
  • 企業が提供したい情報や商品とそれを必要としている読者層に配信をすることができるので、その情報・商品を必要としているユーザーを獲得することができる
  • ペルソナに沿った読者層に配信をするので、開封率・クリック率・コンバージョン率が高くなる

ターゲティングの最大のメリットは開封率・クリック率・コンバージョン率が高くなるということです。

ターゲットの属性を明確にした配信をするので、その人のニーズに合わせた情報や商品の提供をすることができます。 そうなると自然と興味のあるメルマガになるので、開封・クリックをして問い合わせや商品購入といったコンバージョンにつながるのです。

ターゲティングメールのデメリット

一方、ターゲティングメールにはデメリットも存在します。

ターゲティングメールのデメリット

  • ターゲットの属性に合わせたメルマガを送信しなければならないので、登録者の中から属性を抽出・設定をする手間が増えてしまう
  • メルマガ登録者の中からターゲットを絞るので、自然と配信対象者は減少してしまう
  • さまざまなターゲティングメールを作成するとリストの重複やターゲットの属性を間違えた誤送信などミスも多くなる

ターゲットの属性を絞るということは配信対象となる人数も少なくなってしまいます。ターゲティングメールの対象となる人の母数が少なくなればそれだけ成果も減少してしまうということも認識しておかなくてはいけません。

また、ターゲティングメールの種類や対象者を抽出するための設定など負担は大きくなってしまうので、その苦労があるためにメリットが活きますが反対にデメリットといえる部分でもあるでしょう。

ターゲティングメールの設定方法

Wooden dolls with text TARGET CUSTOMERS.

ターゲティングメールの設定をするためにはただ抽象的にイメージをするのではなく目的・ターゲットの絞り込み・コンテンツの設定が必要です。では、それぞれどういった考え方で設定を行えばいいのかについて解説していきましょう。

目的

一番始めに考えなければいけず、かつ一番重要であることがターゲティングメールを配信することの目的は何であるのか、ということです。今回例にしている”東京で開催する忙しい人のためのマルチタスク仕事術セミナー”だと、セミナーに集客するということが目的になります。

それ以外にも自社サイトやブログへの誘導、アプリのダウンロード、商品購入など目的はさまざまです。 この目的がずれてしまうとターゲットとなる属性にもずれが生じてしまうため、開封率、クリック率、コンバージョン率に大きく影響してしまうことになるでしょう。

ターゲットを絞り込む

目的が決まればそれに沿ってターゲットを絞り込む作業が必要です。ターゲット像を明確に絞ることができるほど、より成果につながりますのでどのような人物像がターゲットになるのかをよく考えていきましょう。

ターゲットを絞り込む方法は2通りあり、属性で絞る場合と行動で絞る場合があります。 それぞれのターゲティングの方法についても解説していきましょう。

属性ターゲティングメール

Webサイトにアクセスや離脱、メルマガの開封やクリックといった行動情報を基にしてターゲティングする行動ターゲティングメールもあります。

これは正確にいうとリターゲティングメールと呼ばれますが、見込み度が高い層に適切なメールを送ることができるため、コンバージョン率も高くなる傾向にあるのが特徴です。

例えば、最近管理職になり仕事が忙しくうまく作業効率が上がらないと悩んでいる人が、マルチタスクの方法が書かれているサイトをクリックしたとします。

しかし、何らかの理由によってそのまま離脱してしまった際に先ほどの”東京で開催する忙しい人のためのマルチタスク仕事術セミナー”を配信するといったような流れです。

作業効率を上げるためにマルチタスクスキルを覚えたい人、という属性が行動によって明らかとなっているのでコンバージョン率にも良い影響を与えることになります。

行動ターゲティングメール

Webサイトにアクセスや離脱、メルマガの開封やクリックといった行動情報を基にしてターゲティングする行動ターゲティングメールもあります。

これは正確にいうとリターゲティングメールと呼ばれますが、見込み度が高い層に適切なメールを送ることができるため、コンバージョン率も高くなる傾向にあるのが特徴です。

例えば、最近管理職になり仕事が忙しくうまく作業効率が上がらないと悩んでいる人が、マルチタスクの方法が書かれているサイトをクリックしたとします。

しかし、何らかの理由によってそのまま離脱してしまった際に先ほどの”東京で開催する忙しい人のためのマルチタスク仕事術セミナー”を配信するといったような流れです。

作業効率を上げるためにマルチタスクスキルを覚えたい人、という属性が行動によって明らかとなっているのでコンバージョン率にも良い影響を与えることになります。

コンテンツの設定

目的とターゲットが決まればあとはコンテンツの設定を考えていきましょう。コンテンツは興味がある読者のコンバージョン率を高めるために重要なポイントとなるので、訴求したいサービスに合ったキーワードやイラストを導入する工夫も必要です。

また、中には自社サイトのコラムや前回のセミナーのアンケートなどをダウンロード資料として興味をよりもたせるといった方法もあります。また、開始時刻や日時場所、詳細や申込みのボタンやリンクをわかりやすい位置に配置するのもコンテンツ設定では大切なので覚えておきましょう。

ターゲティングメールの目的と配信方法

Market Segmentation

ターゲティングメールは最終的に言ってしまうと自社がしてほしい行動を読者がしてもらうことです。セミナー集客が目的なのであれば、読者をセミナー集客までどのようにして誘導できるかということになります。

ただ、メルマガを登録しているすべての人が同じ温度感や興味を持っているわけではありません。そのため、ターゲティングをしたと同時にセグメンテーションをする必要があるので解説をしていきましょう。

ターゲティングとセグメンテーション

ターゲティングは先ほどから何度も説明しているためどのようなものかはわかりますが、セグメンテーションとは一体何か、という人もいるかもしれません。ここで言うセグメンテーションは温度感や興味具合によってグループを分けるという行為です。

では、セグメンテーションは3つに分けてそれぞれの目的を作っておくことが非常に有効なのでみていきましょう。

アクションにつなげることをゴールに設定

自社と読者の関係性が良好で勧めているサービスにも関心があるというグループにはアクションにつなげることをゴールに設定するようにしましょう。

このグループには自社が開催しているセミナーや商品の紹介をすることによってアクション、つまりセミナーの参加や商品購入をしてくれる注力すべきグループとなっています。

関心をもってもらうことをゴールに設定

自社のサービスに関心はあるけれど温度がまだ高まっていないというグループには関心を持ってもらうことをゴールに設定するようにしましょう。

どのように関心を持ってもらうのかというのは定期的に情報を提供する、あるいはセミナーの内容を少しだけ紹介する、商品ができるまでのストーリを紹介するなどです。そうすることで徐々に関心や興味を向けて温度感が高くなってアクションへとつながります。

このグループにいきなりセミナー参加や商品紹介を誘導しても期待するほどのコンバージョンは取れないと考えていいでしょう。

メールの開封をゴールに設定

自社の提供するサービスに興味はないという読者の場合はまずは自社のことを知ってもらうためにメールの開封をゴールに設定しましょう。

そもそも興味がないという読者にメルマガをどう開封させるのかは非常に難しいことです。そのため、ダウンロードコンテンツや商品を購入する前の悩みに対して購入することで悩みが解消できたという導入事例などを紹介して興味・関心を育てていきましょう。

配信解除の対策

メルマガを配信していると登録する人もいれば解除をする人もいることは仕方のないことかもしれません。配信解除を避けるために無難なコンテンツで配信をしていてもコンバージョンからどんどん遠ざかってしまうので、自信を持って充実したコンテンツの配信を続けるようにしましょう。

ただし、配信解除率が0.5%を越えてしまっている場合は少し注意をしてください。もしかすると顧客のセグメンテーションがうまくできておらず、興味があったとしても顧客の信頼性がうまく築けないために配信解除になってしまうこともあるからです。

一般的には配信解除率というのは0.5%未満と言われていますので、解除をしてしまうパーセンテージが0.5を越えているようであれば一度配信したコンテンツとセグメンテーションを見直すようにしてみましょう。

メール配信数が少ない場合の対処法

メルマガを配信することでアクションを起こしてもらうのがメールマーケティング戦略の醍醐味となります。メールの配信数が少ないからといってセグメンテーションをしない、あるいは何も対策をしないのは業績に大きく関わってくる問題なのでしっかりとした対策を練るようにしましょう。

配信者数を増やすということを目的とした場合、簡単な方法で店頭やWebサイトでメルマガ会員を募集するというものがあります。店頭やWebサイトを訪れる人というのは少なくともそのコンテンツに興味がある方です。

また、Webサイトなどにメルマガ会員になると一部資料をダウンロード可能など、メルマガ会員になることによって特典をつけるという方法も有効的です。

配信後に注意すべきこと

E-Mail service

セグメンテーションによってそれぞれメルマガを作成して送信したら終わり、であればもったいないです。配信後にもしっかりと注意を向けることによって次に活かせるヒントが隠されているかもしれません。

配信後に見るべきポイントとして「メール到達率・メール開封率・設置リンクへのクリック率」があります。

メール到達率

メール到達率はその名の通り、メールを送ったアドレスにきちんと届いているかどうかの割合です。

メルマガに登録したはいいがアドレスを変えたときにメルマガの送信先を変えていないという人もいます。また、興味がなくなってしまい面倒だからとメルマガの受け取り拒否をしてしまっているということも考えられるでしょう。

さまざまな理由でメールがしっかりと相手に届かないということもあるので、配信数に対してどれだけメールが到達したかということも確認しておくようにしましょう。

このメールの到達率が悪いのであればメルマガ会員の獲得方法を見直してみるといいかもしれません。

メール開封率

せっかくメルマガが届いているにも関わらず開封されていなければ意味がないので、メール開封率にも目を配るようにしましょう。

メールが開封されない原因というのは自分に興味の無い内容やタイトルであるという部分が大きいです。そのため、ターゲットとなる方々に興味を持ってもらえるような魅力的なタイトルを考えてみるようにしましょう。

設置リンクへのクリック率

セミナーへの参加や商品購入の設置リンクがどのぐらいクリックされたのかというクリック率も配信後に確認する必要があります。クリック率が悪い場合には配置する場所がわかりにくい場所ではないか、コンテンツの魅力が無いのかという反省につながるからです。

配信前も大切ですが、むしろ配信後のほうが次に活かすためのヒントが多く隠されているので、送信して終わりではなく送信してからの結果を大切にしてみてください。

特定電子メール法は厳守

Love board and email symbol. The concept of love scams online involves using email phishing scams

メルマガを活用するのであれば特定電子メール法を厳守しておこなうことが大前提としてあります。特にオプトイン・オプトアウトは必ず覚えておく必要がありますので、それぞれについて解説していきましょう。

オプトイン

オプトインは簡単に言うと読者にメルマガを送ることに読者自信が同意してもらわなければならないということです。メルマガを送るということ、そしてそれについて同意をしてもらうということを確認することでメルマガを登録してもらうことができます。

オプトインにもさまざまな方法があるので、どのような方法を用いるのかを事前に調べておくのも良いかもしれません。

オプトアウト

オプトインとは逆に登録を解除するためのルールがオプトアウトです。メルマガを見ると「配信解除はこちら」などの記載をみることがありますが、これがオプトアウトになります。

オプトインとオプトアウトをしっかりとすることによってメルマガが成り立つということ、両者の信頼関係が生まれるということも覚えておくようにしましょう。

ターゲティングメールはCVに有効的な戦略

ターゲティングメールはとても奥が深く難しく見えますが、より効率よく顧客にアクションを起こしてコンバージョンしてもらうために有効的な戦略です。

常に顧客のことを考えて対策をしていくことがメールマーケティングには必要なので、ぜひターゲティングメールを取り入れて自社の飛躍に役立ててみてください。

ABOUT US
T.Wada
まだコンピュータが1枚の基盤だった頃からITとともに育つ。約10年のアメリカでのIT開発ディレクター・企業取締役を通じて海外も含めたITの歴史を肌で感じてきた。自身の経験から顧客対応がなぜうまくいかないのかを考える中でカスタマーサクセスを作るクラウドサービス「Re:lation」を開発。3男1女の父。好きな言葉は「日々勉強」。