社内に蓄積した顧客情報をコールセンターやヘルプデスクに活用できないかとお考えの方には、今回紹介するコールセンター向けCRMツールがおすすめです。
本来は営業部門やマーケティング部門で活用されているCRMですが、コールセンターシステムと組み合わせることで、問い合わせ管理や顧客対応の品質アップ・効率化につながります。
本記事では、コールセンター向けCRMツールの特徴やメリット、おすすめツールを徹底的に解説します。
目次
コールセンター向けCRMツールとは

そもそもCRM(顧客管理システム)とは、社内に蓄積されたさまざまな顧客情報を一元管理して、顧客との良好な関係を築くためのシステムです。
CRMには、顧客管理・分析やマーケティング支援、プロモーション管理、満足度調査などの機能が搭載されており、主に営業部門やマーケティング部門で活用されています。
そのCRMを顧客対応やカスタマーサポートなどの業務に応用させたものが、コールセンター向けCRMツールです。
コールセンター向けCRMツールを使うと、顧客情報や応対履歴などのデータを顧客対応に活用でき、業務効率化やサービスレベル向上に結び付きます。
コールセンター向けCRMツールのおすすめサービス9選

コールセンター向けCRMツールのおすすめサービスは、次の9種類に分けられます。
サービス名 | 料金 | 主な機能 |
---|---|---|
Service Cloud | 月額3,000円~ | 検索機能 AI自動応答 CTI連携 |
Zendesk | 月額49ドル~ | チケット管理 ワークフロー自動化 AIによる自動返信 |
Zoho CRM | 月額1,680円~ | 見込み客・顧客管理 商談管理 担当者割り当て |
楽テル | 初期費用:150,000円~ 月額費用:70,000円~ | 顧客情報・対応履歴管理 着信ポップアップ 検索機能 |
FastHelp5 | 要問い合わせ | 顧客・応対履歴管理 画面のセルフカスタマイズ 検索機能 |
UNIVOICE ACCS | 月額12,000円~ | IVR・CTI 対応業務の自動分配 多階層オートスケジュール |
COLLABOS CRM | 初期費用:100,000円~ 月額費用:4,000円~ | 顧客情報管理 CTI連携 メーラー連携 |
InfiniTalk | クラウド:月額35,800円~ オンプレミス:298,000円~ | PBX 通話録音 対応業務の自動分配 |
デコールCC.CRM 3 | 要問い合わせ | 応対履歴の階層管理 画面のセルフカスタマイズ マルチベンダーCTI連携 |
ここでは、それぞれのツールの特徴やメリットを詳しく解説します。
Service Cloud(サービスクラウド)

Service Cloud(サービスクラウド)は、CRMやSFA(営業支援システム)で有名なアメリカのSalesforce社が提供するクラウド型CRMシステムです。
定型的なルーティン業務を自動化できる機能に強みを持ちます。
たとえば、何度も反復的に作業する業務のマクロ化や、通話ログの自動作成などの機能が代表的です。
顧客情報や過去の行動履歴をベースに、きめ細かなフォローを行うAI機能も搭載されています。
料金(税抜) | Essentials:月額3,000円 Professional:月額9,000円 Enterprise:月額18,000円 Unlimited:月額36,000円 ※すべて年間契約 |
主な機能 | 検索機能 AI自動応答 CTI連携 サービスプロセスの自動化 |
公式サイト | https://www.salesforce.com/jp/products/service-cloud/overview/ |
Zendesk(ゼンデスク)

Zendesk(ゼンデスク)は、世界で10万社以上のダウンロード実績があるクラウド型カスタマーサービスソフトです。
専用のCRMシステムとAPI連携すると、コールセンターシステムに顧客情報や対応履歴情報を追加できますが、連携なしでも組織名や連絡先といった簡易的な情報を検索できます。
個別の問い合わせを管理できるチケット機能や、対応する担当者の割り当て機能など、コールセンターに必要な機能が充実しているのも特徴です。
無料トライアルが用意されているため、まずはお試し感覚で導入してみてください。
料金(税抜) | Suite Team:月額49ドル Suite Growth:月額79ドル Suite Professional:月額99ドル Suite Enterprise:月額150ドル ※すべて年間契約 |
主な機能 | チケット管理 ワークフロー自動化 AIによる自動返信 レポート・分析 多言語サポート |
公式サイト | https://www.zendesk.co.jp/ |
Zoho CRM(ゾーホー)

Zoho CRM(ゾーホー)は、営業部門の課題解決のために開発されたCRM・SFAツールです。
見込み客・顧客管理や商談管理、営業担当者の割り当てなど、CRMに必要な機能が一通り揃っているのにもかかわらず、最低月額1,680円という低額で利用できるメリットがあります。
さらに、「マルチチャネルコミュニケーション機能」を活用すると、電話やメールなどのチャネルで行われる顧客とのコミュニケーションを一元的に管理できます。
項目をドラッグ&ドロップで簡単に追加・編集できるのもポイントです。
料金(税抜) | スタンダード:月額1,680円 プロフェッショナル:月額2,760円 エンタープライズ:月額4,800円 アルティメット:月額6,240円 |
主な機能 | 見込み客・顧客管理 商談管理 担当者割り当て スケジュール・タスク管理 レポート・分析 |
公式サイト | https://www.zoho.com/jp/crm/index1.html |
楽テル

楽テルは、コールセンターやヘルプデスク向けに特化したCRMツールです。
CTIシステムと連動させると、着信と同時に画面上へ顧客情報を表示できます。
CRMの操作画面から発信操作ができるため、オペレーターの作業効率を高めたい場合に最適です。
ダッシュボードは、オペレーターが操作しやすいよう自由にカスタマイズできます。
料金(税抜) | 初期費用:150,000円~ 月額費用:70,000円~ 上記に加えて各CTIシステムの費用が必要 |
主な機能 | 顧客情報・対応履歴管理 着信ポップアップ 検索機能 エスカレーションメール サンプルテンプレート |
公式サイト | https://www.rakutel.jp/ |
FastHelp5

FastHelp5は、コンタクトセンター向けに開発されたクラウド型CRMツールです。
ケース管理やナレッジ管理、CTI連携、アラート設定など、コールセンターに必要な機能が一通り揃っています。
ほかにもダッシュボードのセルフカスタマイズや、顧客対応の回答例を探せる回答支援機能などがあり、オペレーターの負担を最小限に抑えられる機能も豊富です。
Fastシリーズは20年以上の実績があり、一定の安心感が得られます。
料金 | 要問い合わせ |
主な機能 | 顧客・応対履歴管理 画面のセルフカスタマイズ 検索機能 アラート設定 レポート・分析 |
公式サイト | https://fastseries.jp/product/crm/fasthelp5/ |
UNIVOICE ACCS

UNIVOICE ACCSは、コールセンターに必要な機能をオールインワンで提供するツールです。
CTIとCRMを連携させて画面に顧客情報を表示できるほか、音声ガイダンスによって一次対応をし、その後にオペレーターにつなぐIVRと連動できるのも特徴です。
一次対応は機械に任せられるため、電話での問い合わせ件数が多い場合に向いています。
SFAとの連携やレポートなど、管理者向けの機能も充実しています。
料金(税抜) | 1オペレーターライセンス:月額12,000円 1SVライセンス:月額18,000円 AWS利用料:月額20,000円 |
主な機能 | IVR・CTI 対応業務の自動分配 多階層オートスケジュール DNIS着信 プレビュー発信 |
公式サイト | https://www.tramsystem.jp/ccscloud/ |
COLLABOS CRM(コラボス)

COLLABOS CRM(コラボス)は、750拠点以上の導入実績があるコールセンター向けCRMツールです。
連携できるツールの範囲が広く、CTIやCRMはもちろん、メーラー、Webフォームなどの機能まで連動させることができます。
オペレーターの稼働率算出機能を使うと、コールセンター全体の業務効率化につながります。
料金 | 初期費用:100,000円~ 月額費用:4,000円~ |
主な機能 | 顧客情報管理 CTI連携 メーラー連携 検索機能 担当者割当 |
公式サイト | https://collabos-service.jp/service/crm/collaboscrm/ |
InfiniTalk(インフィニトーク)

InfiniTalk(インフィニトーク)は、顧客情報と応対履歴の一元管理ができるコールセンター向けCRMツールです。
クラウド版は、基本プランに加えてさまざまなオプションを追加できます。
たとえば、コールセンターライセンスを1席あたり月額3,000円で追加できるほか、オートコールや座席表、CTI連携オプションなどがあります。
目的や用途に合わせてクラウド型とオンプレミス型を柔軟に選べるのが特徴です。
料金(税抜) | クラウド基本プラン:月額35,800円 オンプレミス基本パッケージ:298,000円~ |
主な機能 | PBX 通話録音 対応業務の自動分配 フリーシーティング レポート・分析 |
公式サイト | http://www.infinitalk.co.jp/ |
デコールCC.CRM 3

デコールCC.CRM 3は、画面の見やすさに定評があるコールセンター向けCRMツールです。
ダッシュボードはワンビュー設計で、縦スクロールによる非効率化を最小限に抑えます。
また、複数の応対業務を同時に実行できるマルチテナント機能を搭載しているのも特徴です。
マルチベンダーのCTIやPBXと連携すると、より業務効率化につなげられます。
料金 | 要問い合わせ |
主な機能 | 応対履歴の階層管理 画面のセルフカスタマイズ マルチベンダーCTI連携 マルチテナント対応 |
公式サイト | https://gigxit.co.jp/products_services/callcenter_crm_system/ |
マルチチャネルへの対応には「Re:lation」を

最近では、電話やメール以外にも、問い合わせフォームやLINE、Twitterなど問い合わせ窓口の種類が増えており、複数チャネルの問い合わせ管理がより重要になっています。
そうした多数の窓口を一元管理したい場合は、マルチチャネルの問い合わせ管理ツール「Re:lation」がおすすめです。
Re:lationは計10種類のチャネルに対応しており、1つのダッシュボードを確認するだけで、チーム全体で複数の問い合わせ窓口に対応できます。
応対メモやステータス管理、自動返信など、対応漏れや二重返信を防ぐ機能も豊富です。
「コールセンターやヘルプデスクの業務を効率化させたい」「1つの画面だけで問い合わせ管理を完結させたい」という方は、ぜひRe:lationを検討してみてください。
料金(税抜) | 初期費用:15,000円 月額費用:12,800円 |
主な機能 | 応対メモ ステータス管理 チケット管理 予約送信 自動返信 担当者振り分け |
公式サイト | https://ingage.jp/relation |
コールセンター向けCRMツールを選ぶ際のポイント

コールセンター向けCRMツールを選ぶポイントは次の3点です。
- 搭載されている機能
- 対応チャネル
- セキュリティ
それぞれのポイントについて詳しく解説します。
搭載されている機能
CRMツールと一口にいっても、ベンダーによって機能はさまざまです。
そのため、目的や用途を明確にしたうえで、コールセンターの規模も考慮に入れ、複数社の機能を比較しましょう。
たとえば、顧客情報や応対履歴情報を検索さえできれば良い、レポート機能や分析機能もあったほうがベストなど、実際に業務にあたるオペレーターの意見も踏まえて検証することが大切です。
対応チャネル
さまざまなチャネルが存在する昨今において、CRMツールがどのようなチャネルに対応しているかを確認しておくことは非常に重要です。
問い合わせ用のチャネルには、電話やメール、SNS、SMS、チャット、問い合わせフォームなどの種類があります。
もしCRMツールが自社の問い合わせチャネルに対応していないと、マルチチャネルの一元管理ができず効率性が低下したり、手作業の入力が増えてオペレーターの負担が増加したりといった悪影響が出てしまいます。
セキュリティ
コールセンターでは大切な顧客情報を取り扱うため、必ずCRMツールのセキュリティをチェックしておきましょう。
セキュリティが甘く、万が一顧客情報が流出してしまうと大きなイメージダウンとなります。
セキュリティを確認する際は、ネットワークの暗号化やアクセスログ管理、アクセス制限といった基本的な機能が搭載されているか、万一のトラブル時に24時間体制がとられているかなどの点をチェックすると良いでしょう。
コールセンター向けCRMツールを導入するメリット

コールセンター向けCRMツールを導入するメリットは次の通りです。
- 正確な顧客情報をもとにした応対が可能
- 集積した顧客情報を多角的に分析・活用できる
- オペレーターの負担軽減
正確な顧客情報をもとにした応対が可能
ツールを導入すると、CRMに蓄積された顧客情報を画面上に表示できるようになります。
オペレーターが電話をとる際に、相手の氏名や年齢、住所、これまでの対応履歴が表示されるため、よりスムーズな電話応対が可能です。
また、その情報はリアルタイムに更新される特徴があります。
更新された情報を全オペレーターに共有させることで、顧客が現在抱えている課題や悩みを即座に理解でき、CS(顧客満足度)の向上にもつながります。
集積した顧客情報を多角的に分析・活用できる
CRMに蓄積された情報を分析・活用できるのもメリットです。
たとえば、顧客から寄せられた問い合わせ内容を登録しておくと、情報を多角的に分析したうえで営業活動やマーケティング戦略に生かせるようになります。
ただし、コールセンター向けCRMツールによっては、別の分析ツールとの連携が必要なケースもあるので注意が必要です。
オペレーターの負担軽減
新人オペレーターが一人前になるには、商品やサービスの知識、適切な回答方法、専門用語など数多くの知識を習得しなければなりません。
その点、CRMがあると基本的な顧客情報と応対履歴を参照できます。
その情報を参考にすることで、必要な知識を短期間で習得できたり、問い合わせに即座に回答できたりと、オペレーターの負担軽減につながります。
目的を明確にして適切なコールセンター向けCRMツールを選び分けよう

コールセンター向けCRMツールを導入することで、働き手となるオペレーターはもちろん、企業にとっても大きなメリットが生まれることがわかりました。
さらに顧客情報を有効活用すると、顧客対応やカスタマーサポートの品質が高まり、ブランド価値の向上やエンゲージメントの強化にも結実します。
コールセンター向けCRMツールは企業にとって重要な存在だからこそ、慎重に選び分ける必要があります。
もしCS業務でマルチチャネルへの対応が必須なら、10種類の問い合わせ窓口を一元管理できる「Re:lation」を検討してみてください。
さまざまなチャネルからの問い合わせをチーム全体で管理・共有することで、業務効率化や顧客満足度の向上につながります。
まずは、「なぜ自社のコールセンターにCRMが必要なのか」という目的を明確にしたうえで、さまざまなツールを比較して適切なものを選択しましょう。