ビジネスメールは、オフィスワークにおいて必須のスキルです。ここでは、基本的な書き方・マナー・実用的な例文を通じて、ビジネスメールの作成を徹底的に解説します。
ビジネスメールに苦手意識がある人やこれを機にマスターしておきたい人は、ぜひ参考にしてください。
目次
【状況別】ビジネスメールの例文
ここでは、以下の4パターンのビジネスメールの例文を紹介します。
- 依頼をするビジネスメールの例文
- お礼をするビジネスメールの例文
- 謝罪をするビジネスメールの例文
- 催促をするビジネスメールの例文
ぜひ参考にしてください。
依頼をするビジネスメールの例文
「いつも大変お世話になっております。
株式会社〇〇の〇〇です。
昨日、お電話でご相談いたしました件について、
一度直接お打ち合わせをしたく存じます。
つきましては、平日10時~18時のうち、ご都合の良い日時を教えていただけますでしょうか。
お忙しいところ恐縮ですが、何卒宜しくお願いいたします。」
お礼をするビジネスメールの例文
「お世話になっております。
株式会社〇〇企画部の〇〇と申します。
先日は弊社サービスへお問い合わせいただき、誠にありがとうございました。
お問い合わせいただいた内容にお答えいたします。
~~~~~~
また、弊社サービスのことをよりご理解いただける資料も添付させていただきますので、よろしければご確認ください。
引き続きよろしくお願い申し上げます。」
謝罪をするビジネスメールの例文
「お疲れ様です。〇〇です。
本日の研修では準備が不足しており、ご迷惑をおかけしてしまい大変申し訳ございませんでした。事前に準備物をメンバー内で共有していなかったことが私の失態でした。
不測の事態にも関わらずフォローをしていただき、深く感謝しております。
二度とこのようなことがないように尽力いたしますので、今後ともご指導のほどよろしくお願いいたします。」
催促をするビジネスメールの例文
「お世話になっております。
〇〇社の〇〇です。
〇日にお送りしたメールにて、面談日時についてのご希望を伺っておりましたが、ご状況はいかがでしょうか?
お忙しいところ恐縮ですが、〇月〇日までにご教示いただけますと幸いです。
なお、本メールと行き違いに対応済みでしたら何卒ご容赦くださいませ。
何卒宜しくお願いいたします。」
ビジネスメールの書き方に関するルール
ビジネスメールを書く際には、以下の4つのルールに配慮しましょう。
- 挨拶・名乗り・要件・結びの順に文章を作る
- 冒頭に必ず宛名を記載する
- TO・Cc・Bccを正しく使う
- データを添付する際にはメール内にも記載する
ルールを押さえておくことで、顧客からの信頼を勝ち取りやすくなります。
挨拶・名乗り・要件・結びの順に文章を作る
ビジネスメールは、挨拶→名乗り→要件→結び、の順序で文章を作成して行きましょう。慣れれば自然と作れるようになりますが、初めのうちは順番を意識することが大切です。
なお、挨拶では「ご無沙汰しております。」「ご連絡ありがとうございます。」のように、顧客との関係性に応じて変える必要があります。また、要件を記載したあとには「何卒よろしくお願い申し上げます。」などの結びの文章を入れましょう。
冒頭に必ず宛名を記載する
挨拶や名乗りなどの本文を記載する前に、必ず宛名を入れましょう。個人宛てにメールを送る際には、「会社名→部署名→役職→氏名」の順に記載します。役職や会社名の前株・後株を間違えがちなため注意が必要です。
個人ではなく団体宛てにビジネスメールを作成する場合は、団体名や会社名のあとに「御中」を入れましょう。「関係者各位」といった文言を入れることで、大勢に向けてメールを送ることができます。
TO・Cc・Bccを正しく使う
ビジネスメールにおける宛先には、TO・Cc・Bccの3種類があります。TOは通常の宛先で、CcとBccは「メインの宛先ではないものの、メールの内容を把握しておいてほしい人」に設定しましょう。
CcとBccの違いは、第3者から見えるか否かです。Bccのみ、TOやCcの人からメールを受け取ったことが確認できない仕様となっています。それぞれの違いを理解したうえで、正しく使い分けることが大切です。
データを添付する際にはメール内にも記載する
PDFなどのデータを添付する際には、その旨をメール内にも記載しましょう。「お電話にてお伝えした資料を添付いたします。」といった文面があることで、顧客は安心してデータをダウンロードできます。
なお、なかにはデータを添付する旨を案内しているにも関わらず、肝心のデータをつけ忘れてしまう人もいます。何度もメールを送るのは失礼に値するため、入念に確認しましょう。
ビジネスメールを送る際のマナー
ビジネスメールを送る際に押さえておくべきマナーは、主に以下の5つです。
- 受信したビジネスメールは1営業日以内に返信する
- 簡潔な件名を心がける
- 大量の添付ファイルは送らない
- 署名を記入する
- メール送信前に必ず見直しをする
あらかじめ理解しておけば、失礼のないビジネスメールをスムーズに作成できます。
受信したビジネスメールは1営業日以内に返信する
ビジネスメールは、返信を溜めないのがマナーです。なるべく早い返信を心がけ、1営業日以上は空けないようにしましょう。
すぐに結論を出せないメールを受信した場合は、「社内で確認し、〇日までにご回答いたします。」といった具合に、内容を確認した旨だけでも伝えるのが賢明です。
簡潔な件名を心がける
ビジネスメールを送るうえで、件名は非常に重要なポイントです。メールマーケティングが発達している昨今では、顧客のメールフォルダーには大量の案内が届いていることが予想されます。そのようななかで、簡潔でわかりやすいタイトルのメールを送れれば、快く開いてもらいやすくなります。
何のメールなのか一目見て分かるような件名をつけましょう。
大量の添付ファイルは送らない
添付ファイルの量に配慮するのも、ビジネスメールにおけるマナーのひとつです。たくさんの情報を提供したいからといって、添付ファイルが多すぎると相手のPC容量を圧迫してしまい、迷惑となってしまいます。必要最低限の量に留めてください。
どうしてもたくさんのデータを送る必要がある場合は、クラウド上で共有したりZIPファイルを活用したりするとよいでしょう。
署名を記入する
ビジネスメールにおける署名とは、メール文末に記載される送信者情報のことです。署名を設定しておくことで、誰がメールを作成したのか1目で見てわかるようになるため、利便性が高いです。メールを受信した人が、送信者に連絡を入れたくなった際にスムーズに連絡先を見つけられるようになります。
ビジネスシーンでは、凝ったものではなく、シンプルなテンプレートの署名を活用することをおすすめします。
メール送信前に必ず見直しをする
基本的に、1度送ってしまったビジネスメールはあとからやり直すことができません。誤字脱字、添付ファイルの不具合などのミスがないよう、メールを送信する前には必ず見直しをしましょう。できれば、時間を置いてから見直したり、上司や同僚などの第三者にも確認してもらったりするのがおすすめです。
不適切な表現によって顧客を不快にさせないためにも、入念にチェックしてから送信してください。
ビジネスメールの表現における注意点
ビジネスメールを作成する際には、以下の4点に注意しましょう。
- 「様」は役職ではなく氏名につける
- 「御社」ではなく「貴社」を使う
- 「了解しました」ではなく「承知しました」を使う
- 関わりのない相手には「お世話になっております」は使わない
それぞれについて詳しく解説するので、ぜひ参考にしてください。
「様」は役職ではなく氏名につける
宛名を記載する際には、氏名には必ず「様」をつけましょう。この際、「部長」などの役職のあとに「様」を入れてしまう人がいるため、要注意です。また、個人宛ではなく団体宛にメールを送る場合には、「御中」をつけるのがふさわしいケースもあります。「御中」のあとに「様」をつけるのもNGだと理解しておきましょう。
「御社」ではなく「貴社」を使う
面接や商談などの場では「御社」という表現が正しいですが、メールや手紙などの文語の場では「貴社」と統一しましょう。そのほかにも、二重表現やカジュアルすぎる言葉もメールの場面ではふさわしくありません。直接話すときのようなトーンになっていないか確認しましょう。
「了解しました」ではなく「承知しました」を使う
目上の人や顧客に対しては「了解しました」ではなく「承知しました」や「かしこまりました」を使うのが正しいです。また、「ご苦労様です」も立場が下の人に向けた言い回しであるため、利用を控えましょう。
Slackなどのチャットツールとは異なり、ビジネスメールは1度送信すると修正ができないため、誤った言葉遣いをしないように気をつけましょう。
関わりのない相手には「お世話になっております」は使わない
初めて連絡を入れる相手に対し「お世話になっております」という表現を使うのもよくありません。初回のメールでは「お世話になります」「突然のご連絡失礼いたします」などの文言を使用しましょう。
最初の1通目のメールは印象を大きく左右するため、特に配慮が必要です。違和感やストレスのない文面作成を心がけてください。
【まとめ】正しい書き方を理解したうえでビジネスメールを作成しよう
ビジネスメールは、依頼・お礼・謝罪など、目的に応じて文章を使い分けることが大切です。記事内で紹介した例文を参考にしつつ、顧客に対して相応しい文面を作成しましょう。また、シーン別の例文だけでなく、ビジネスメール全般のマナーや注意点を把握することも大切です。添付ファイルやTO・Cc・Bccの使い方を誤ったり、不適切な言葉遣いをしたりしないよう、注意しましょう。