ECサイトの業務をまとめて管理! 一元管理システム導入のメリット・デメリットとは?

ECサイトの管理業務は多岐にわたり煩雑です。さまざまな管理業務を部署ごと、もしくは担当者ごとに対応していると、それぞれの品質にバラつきが出たり、管理の目も行き届かなかったりします。一番良い解決法は数多くリリースされているECサイト向けの一元管理システムを導入することなのですが、これにはどのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか? 今回はECサイト向け一元管理システムの概要と、そのメリットとデメリットについて解説します。

煩雑なECサイトの業務

はじめに、ECサイトの代表的な業務内容を確認しておきましょう。

ECサイトの代表的な業務

サイト制作・運営

ECサイトの制作、更新、運営管理は、もっともユーザーの目に留まる管理業務です。運営管理とは商品の情報登録や削除などを指します。顧客情報の管理やサイトのセキュリティシステム整備なども、運営管理のひとつです。

プロモーション

季節や記念日にちなんだキャンペーンや新製品発売のキャンペーンなど、サイトを更新して展開する広告宣伝業務です。扱う商品にもよりますが、食品であれば年末年始やクリスマス、バレンタインデーなどに行われるキャンペーンが代表例です。

商品仕入れ

ECサイトに掲載する商品は、在庫を確認しながら欠品の無いように仕入れる必要があります。人気の商品を売る機会を逃さないように、キャンペーン中の商品補充(仕入れ)には細心の注意が必要です。

受注処理(販売管理)

お客様が商品を購入した場合の受注処理です。クレジットカードでの購入、代金引換、コンビニや銀行での振り込みなど、代金の支払い方法に応じた受注処理が必要です。また販売管理としては、商品の引き当てと出荷指示も遅滞なく行う必要があります。

在庫管理

発注して入庫した商品の員数管理や、サイトへの在庫状況表示などの業務です。欠品しそうな商品の発注業務も在庫管理に含まれます。

出荷・配送

受注し入金確認のできた商品の配送指示や、配達状況の情報提供を行います。ユーザーのマイページに配達状況を掲示したり、ユーザー宛にメールで状況を連絡したりします。

入・出金管理(経理業務)

お客様やクレジットカード会社、決済代行サービスなどからの入金管理と、仕入れの出金管理を行います。一般的には経理業務と呼ばれています。

カスタマーサポート

お客様からの商品に対する問い合わせやサービスへの要望、クレームなどを受け付け管理する業務です。特に新商品の発売後や繁忙期には、問い合わせが増える傾向にあります。

上記のようなさまざまな業務をバラバラに管理するのは、非効率であり業務の品質も安定しません。ECサイトの業務を連携させ、効率よく運営するためにはECサイト向けの一元管理システムの導入が効果的です。

ECサイト向け一元管理システムとは?

ECサイト向け一元管理システムとは、ECサイトの受注管理、在庫管理、商品管理などの情報や状況を一元的に管理できるシステムのことです。各社からリリースされている一元管理システムには若干の違いがありますが、一般的には商品登録(サイト管理)、受・発注管理、仕入れ・在庫管理、出荷管理、メール管理(問い合わせ管理)、ECサイトの分析などが行えるようになっています。

有名なECサイト向け一元管理システムとしては「TEMPOSTAR」「アシスト店長」「ネクストエンジン」などがあり、どれもクラウドの環境で提供されています。これらのECサイト向け一元管理システムは、必要な機能を選んで柔軟に運用することができるのでコストパフォーマンスが高く、多くのECサイトで採用されています。サポート体制、セキュリティ対策など、製品によって特徴が異なるため、自社のECサイトの状況に合わせて選ぶとよいでしょう。

一元管理システムのメリット・デメリット

ECサイト向け一元管理システムの導入には、メリットだけでなくデメリットもあります。特にデメリットについては、システムの導入前に対応可能なものかどうか必ず確認しておきましょう。

一元管理システムのメリット

作業効率化につながる

いままでバラバラに運用していた業務を連携させることで、情報の受け渡しやフィードバックなどがスムーズになり作業効率が上がります。業務の迅速化は受注機会を向上させることに役立ち、データ処理の迅速化は人件費の削減につながります。また、業務の効率化により人材配置の最適化が可能になるため、作業負荷の平準化による離職率低減の効果も期待できるでしょう。

ミスが削減できる

情報連携が人ではなくシステム上でできるようになり、ケアレスミスによるやり直しや住所の転記ミスによる再配送などの発生を抑えられます。業務上のケアレスミス削減は、顧客満足度の向上につながるでしょう。

管理効率が向上する

現場ではなく、システム上で状況確認が可能になるため、管理効率が向上します。またシステムの導入により業務フローが明確になり、業務の最適化案も策定しやすくなるでしょう。業務状況を全体で俯瞰(ふかん)することにより、ミスやムダの発見がしやすくなります。

一元管理システムのデメリット

業務フローの見直しをする必要がある

業務の内容が似通っていても、作業フロー(業務の流れ)は各社で異なります。ほとんどの場合、ECサイト向け一元管理システムは一般的な業務フローに合わせて構築されています。導入するシステムと自社の業務フローに違いがある場合には、自社の業務フローをシステムに合わせて見直す必要があります。

導入コストとランニングコストが発生する

ECサイト向け一元管理システムの導入時には、導入コスト(初期費用)とランニングコスト(月々のライセンス費用や従量課金など)が発生します。導入前には、導入コストからサポート費用までを含めた費用の全体像を確認しておきましょう。

別途対応すべき業務が残る

ECサイト向け一元管理システムではカバーしきれない業務が残る場合があります。たとえば、導入したシステムのプロモーション機能やカスタマーサポート機能が不十分な場合は、自社のECサイトに必要な機能を別途システムとして導入する必要があるでしょう。

一元管理システムでは管理しきれない業務

ECサイト向け一元管理システムでは管理しきれない業務のうち、特に問題となるのはカスタマーサポート機能です。お客様からの問い合わせに対する不備(対応遅れや対応もれ、二重対応など)があれば、すぐトラブルに発展してしまうおそれがあるからです。

SNS全盛の時代、お客様とのトラブルは「ネット炎上」につながりやすく、最悪の場合、企業としての価値を落とすことにもなりかねません。近年のカスタマーサポートは電話での対応ばかりでなく、メールやチャットによる対応が必須です。安定した品質のカスタマーサポートを実現するためにも、さまざまな問い合わせの形態に対応し、状況をメンバー全員で共有できる、問い合わせに特化した管理システムを用意しておくべきでしょう。

システムの導入は適材適所で使うことが大切

ECサイトの運営に必要な、すべての業務を完全にカバーするシステムを見つけることは困難です。システムの導入時には、そのシステムが得意な業務範囲を判断し、適材適所で用いることがなにより大切です。ECサイトでは、お客様からの問い合わせに慎重に対応する必要があります。情報をメンバー間で共有し、適切な対応ができるように互いに確認しあうことも大切です。

ECサイトのカスタマーサポートにメール共有システムを使えば、カスタマーサポート部門の品質は飛躍的に向上します。株式会社インゲージの「Re:lation(リレーション)」は、お客様からの問い合わせ対応に必要な機能をすべて実装しています。

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