3-1. 受付から解決までの標準フローとCX改善の着眼点

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顧客からの問い合わせは、多くの場合、何らかの期待や不安、時には不満を抱えて始まります。この最初の接点から解決に至るまでのプロセス全体をスムーズかつ心地よいものにすることが、CX向上には不可欠です。ここでは、標準的な対応フローの各段階と、そこで意識すべきCX改善のポイントを解説します。

スムーズな初期対応:第一印象と必要情報の的確なヒアリング

顧客対応における初期対応は、その後のコミュニケーション全体の印象を左右する重要なステップです。電話であれば第一声のトーンと名乗り、メールであれば件名や書き出しで、安心感と信頼感を与えることを目指します。顧客が何に困り、何を求めているのか、その核心を的確に把握するためには、まず顧客が話しやすい雰囲気を作り、丁寧な言葉遣いで必要な情報を過不足なく聴き取ることが求められます。ここで焦らず、顧客の言葉に耳を傾ける姿勢が、最初の信頼構築に繋がります。

問題・要望の正確な特定と期待値のすり合わせ

ヒアリングで得た情報をもとに、顧客が直面している問題の本質や、真の要望を正確に特定します。時には、顧客自身も混乱していたり、うまく言葉にできなかったりする場合があるため、確認や質問を繰り返しながら慎重に掘り下げることが重要です。問題が特定できたら、それに対して企業として何ができて、何ができないのか、解決までにどれくらいの時間が見込まれるのかといった「期待値」を、顧客と事前にすり合わせることが後の誤解や不満を防ぎます。

迅速かつ的確な調査・解決策の提示と合意形成 

特定された問題や要望に対し、社内のナレッジベースや関連情報を活用し、迅速かつ的確に調査を進めます。原因が特定できれば、それに対する具体的な解決策を検討します。解決策は一つとは限らないため、複数の選択肢がある場合はそれぞれのメリット・デメリットを分かりやすく説明し、顧客にとって最善の策を共に考える姿勢が大切です。最終的に提示する解決策については、顧客の理解と納得(合意)を得ることが、スムーズな解決への鍵となります。

解決確認、クロージングとアフターフォローの重要性

解決策を実施した後は、必ず顧客に問題が完全に解決したかを確認します。ここで「解決したつもり」になるのは禁物です。顧客からの明確な「解決した」という言葉を得て、初めて対応はクロージングに向かいます。クロージング時には、感謝の言葉を伝え、他に困り事がないかを確認するなど、丁寧な締めくくりを心がけましょう。さらに、案件によっては、後日改めて状況を伺うなどのアフターフォローを行うことで、顧客のロイヤルティを高め、長期的な関係構築に繋げることができます。

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