4-3. 難しい要求への対処法とポジティブな代替案提示

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企業のポリシーや物理的な制約により、顧客の要求にそのまま応えられない「難しい要求」に直面することもあります。このような場合、単に「できません」と伝えるだけでは顧客の不満を高めてしまいます。丁寧な説明と、建設的な代替案の提示が鍵となります。

「できない」ことを伝える際の丁寧な表現と理由説明

要求に応えられないことを伝える際は、まず「ご期待に沿えず申し訳ございません」といった謝罪の言葉と共に、なぜできないのか、その理由を具体的かつ丁寧に説明します。会社の規定、技術的な制約、物理的な限界など、顧客が納得しやすい客観的な理由を示すことが重要です。曖昧な表現や一方的な通告は避け、誠実な姿勢で向き合います。

顧客の根本的な要望を再確認し、実現可能な代替案を複数提示する

「できない」と伝えた上で、顧客がその要求を通じて本当に実現したかったことは何か(根本的なニーズ)を再度ヒアリングし、理解を深めます。その根本ニーズを満たせる別の方法がないか、企業の提供価値の範囲内で実現可能な代替案を複数考え、提示します。代替案を考える際は、創造性を働かせ、時には他部署の協力も仰ぎます。

代替案のメリット・デメリットを誠実に伝え、顧客の選択を尊重する

提示する代替案については、それぞれのメリットだけでなく、考えられるデメリットや制約条件も正直に伝えます。情報を公平に開示することで、顧客はより納得して選択することができます。最終的な判断は顧客に委ね、「一緒に最善策を考えましょう」という協力的な姿勢を示すことが、信頼関係の維持に繋がります。

交渉と合意形成のスキル

代替案を提示する過程は、一種の交渉とも言えます。企業の利益と顧客満足のバランスを取りながら、双方が納得できる着地点を目指すスキルが求められます。そのためには、論理的な説明能力、相手の意見を受け入れる柔軟性、そして粘り強く対話を続ける忍耐力が必要です。合意に至った内容は明確に記録し、双方で確認することが後のトラブルを防ぎます。

テンプレ(お役立ち資料)

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