5-1. 応対品質・CX指標(KPI, NPS®等)のモニタリングと分析

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継続的な改善のためには、まず現状を正しく把握することが不可欠です。応対品質や顧客体験を客観的な指標(メトリクス)で測定し、定期的にモニタリング・分析することで、課題の発見や改善効果の検証が可能になります。

主要な応対品質指標(応答率、解決率、AHT等)の解説と目標設定の考え方

応対品質を測る代表的なKPI(重要業績評価指標)には、電話の繋がりやすさを示す「応答率」、一度の対応で問題が解決した割合を示す「一次解決率(FCR)」、平均対応時間を示す「AHT(Average Handle Time)」などがあります。これらの指標は、オペレーションの効率性や生産性、顧客満足度に影響します。各指標の意味を理解し、自社のサービスレベルやリソースに合わせて現実的かつ挑戦的な目標値を設定することが重要です。

参照:1-3. 対応品質と顧客体験向上の基本原則

CXを測る代表的な指標(NPS®、CSAT、CES等)の概要と活用法

顧客体験全体を評価するためには、NPS®(ネットプロモータースコア:顧客ロイヤルティ)、CSAT(顧客満足度スコア:特定の対応や製品への満足度)、CES(カスタマーエフォートスコア:問題解決にかかった顧客の労力)といった指標が用いられます。これらは主にアンケートを通じて測定され、顧客の総合的な企業への評価や、サービス利用の容易さを可視化します。これらの指標を定期的に追いかけることで、CX向上の取り組みが実際に顧客にどう受け止められているかを把握できます。

定期的なモニタリング体制とデータ分析による課題発見

設定した各種指標は、一度測定して終わりではなく、日次・週次・月次といった単位で定期的にモニタリングし、その推移や傾向を追うことが重要です。目標値との差異、過去との比較、担当者別・チャネル別の比較などを行うことで、パフォーマンスのボトルネックや改善すべき領域が明確になります。例えば、特定の問い合わせ種別で解決率が低い、あるいは特定の時期にNPS®が低下するといった傾向が見られれば、その原因を深掘りして対策を講じることができます。

指標を改善するための具体的なアクションプラン策定と効果検証

データ分析によって課題が特定されたら、それを改善するための具体的なアクションプランを策定します。プランには、目標とする指標、具体的な施策内容、担当者、期限などを明確に盛り込みます。施策実行後は、再度指標を測定し、その効果を検証します。効果が見られれば継続・横展開し、見られなければ原因を再分析してプランを修正する、というサイクルを回すことで、データに基づいた着実な品質・CX向上が可能になります。

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