多くの企業では情報共有にメールを利用しています。メールはとても便利なツールではあるものの、同時に「手間がかかる」「情報漏えいのリスクがある」といったデメリットもあります。そのため情報共有メールの送受信には十分な注意を払う必要があります。この記事では、情報共有メールの目的やテンプレートなどを解説します。
目次
情報共有メールの目的は4つ
情報共有メールが広まったのは、ビジネスシーンにありがちだった問題の解決策になり得たからです。情報共有メールの目的を4つ挙げます。
属人化を防止する
情報共有メールをすると、CCやBCC、転送などにより自分以外の社員もメールの内容を閲覧できるということです。情報共有メールによって上長やチームメンバーがメール内容を閲覧することで、顧客とのやりとり、進捗状況を把握できるようになり、その結果、問題点の発見や、アドバイス、仕事の引継ぎもスムーズになり、属人化を防止できるのです。
情報をリアルタイムで共有する
メール内容を社内の誰かと共有する場合には、メールの転送やプリントアウト、口頭で伝えることもできますが、どうしてもタイムラグが出てきます。そこでメールのCCやBCC欄に、上長やチームメンバーを入れることにより、メール内容をリアルタイムに共有する方法が情報共有メールなのです。
チーム内のコミュニケーションを円滑にする
チーム間のコミュニケーションツールとしても、情報共有メールは大切です。例えば、上司や先輩に仕事の相談するときでも、情報を共有できているかどうかは大きなポイントです。多忙な上司は報告を一から十まで受けるような時間が取れないので、的確なアドバイスができないこともあるでしょう。メールによって内容を共有できていれば、すべてを説明されなくてもスムーズに相談を受けることができます。チームメンバーにヘルプを頼みたいときにも、引継ぎを簡単に行えるでしょう。
情報資産を活用する
組織内に蓄積されている経験やスキルは「情報資産」です。ただ、情報資産は単に蓄積されているだけでは意味を成しません。メンバー間で共有されて初めて、今後に活用されていきます。情報共有メールなら簡単に情報資産が蓄積されていくため、今後の案件の参考になるでしょう。若手社員がベテラン社員の情報資産を活用し、ハードルの高い案件に挑むことも可能になるのです。
情報共有メールの基本的なマナーや注意点はしっかり押さえておく
職場のツールである以上、情報共有メールにもビジネスマナーは必要です。メールの内容は上司も見ているので、最低限の礼儀はわきまえるべきだと言えるでしょう。以下、情報共有メールのマナーや注意点を挙げていきます。
件名を分かりやすくする
共有メンバーの中に忙しい人がいる場合では、件名を見て「不要」だと感じたものは、読み飛ばされてしまう可能性があります。そのため件名で「誰に」「何を」「いつまでに」伝えたいのか、はっきりさせましょう。さらに、緊急性の高いものは件名に「至急」「要返信」などとつけるのもマナーです。
返信の際には件名を変更しない
メールを返信するときに、件名を消したり変更したりするのもマナー違反です。もとの件名に「Re:」がついたままの状態で送り返しましょう。件名が変わると何についてのメールかが分かりにくくなってしまうことと、「Re:」の数を見れば、やりとりがどれほど続いているのかが把握できることが理由です。
件名には工夫をする
シンプルで、内容を端的に伝える件名にしましょう。件名で概要を把握できれば、本文を読み進める際の理解力も高まります。受け手が、発信者が「何を伝えたいのか」を意識しながら読めるので、アドバイスや質問への回答を考えやすくなります。通常は顧客名や案件名を入れて、「~の件」とするのが件名のマナーです。
CCには返信は不要
情報共有メールの中にはCCで送信されたものもあるでしょう。自分の名前がCCにあるなら、基本的には返信不要です。CCに含まれた人間が返信してしまうと、本筋のやりとりがスムーズでなくなってしまうからです。どうしても聞きたいことや、伝えたいことがあれば個別に連絡を取りましょう。
締めの署名を忘れずに
ビジネスメールでは、責任の所在をはっきりさせるために締めの署名が不可欠です。情報共有メールでもその点は同じなので、氏名や役職、所属部署、緊急連絡先など、必要事項をまとめて締めの署名にしましょう。
情報共有メールのマナーや例文・テンプレを覚えて円滑に作成する
シチュエーションごとに情報共有メールの例文を紹介します。
緊急時の例文
件名:【至急確認】昨日の〇〇商事プレゼンテーションの件
チームメンバー各位
お疲れ様です。
営業部・××です。
昨日、私と▽▽課長で行なった〇○商事のプレゼンテーションについて、先方からご意見をいただきました。ご確認のほど、よろしくお願いいたします。
【主な感想】
・ソフトの操作性に強く引かれる
・プレゼンテーションは分かりやすく内容も十分に理解できた
【懸念事項】
・オプションを含めた予算が想定より超過している
・自社にシステムを運用できるだけのリテラシーが不足している
【次回商談までの課題】
・予算内に収めるための方法(下位互換の商品の提案も検討する)
・研修や保守についての制度を提案する準備
署名~
要返信の例文
件名:【要返信】営業第二チーム緊急ミーティング日程調整の件
チームメンバー各位
お疲れ様です。
営業部・××です。
来週、6月10~15日の間に、営業第二チームで緊急の戦略会議を開催したいと思います。つきましては、各日、10:00~11:00、17:00~18:00でご都合のいい日と時間帯を私にご返信ください。なお、返信日は明日中でお願いたします。
署名~
返信する際の例文
件名Re:【要返信】営業第二チーム緊急ミーティング日程調整の件
チームメンバー各位
お疲れ様です。
営業部・××です。
表題の件ですが、私は全日、17:00~は空いております。また、11日なら10:00~出席可能です。ご調整のほど、よろしくお願いいたします。
署名~
お礼の例文
件名:10月21日の~~株式会社へのごあいさつの件
〇〇部長
CC:チームメンバー各位
お疲れ様です。
営業部・××です。
10月21日、~~株式会社への担当者変更のごあいさつにご同行いただきありがとうございました。部長と先方がお知り合いということで、スムーズに引継ぎを受け入れていただけたと思います。その後、先方にもメールにてお礼を申し上げておきました。さっそく、来週中に商談でうかがう予定です。今後とも、ご助力などいただければ幸いです。
以上、よろしくお願いいたします。
署名~
Re:lationで情報共有メールの質を高めよう
情報共有メールには専用ツールがおすすめです。メールは日常的に送受信するものなので、ツールによって作業が大幅に簡略化されれば、担当者の負担が軽減されます。さらに、情報資源の蓄積の精度も高められるでしょう。例えば、私たちインゲージが提供している客管理や問い合わせ対応ツール「Re:lation(リレーション)」には、情報共有メールの機能も備わっています。自動設定や担当者設定により、「誰が」「何について」やりとりしているのかが一目瞭然です。
なお、「Re:lation」では、より堅牢なセキュリティが備わった「Re:lation for Biz(リレーション・フォー・ビズ)」もリリースされています。リモートワークのような多様な働き方に対応しているツールなので、業種や業態を問わずにおすすめです。