2-1. 傾聴・共感による顧客ニーズと感情の把握

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顧客が抱える問題や要望の背景には、必ず何らかの感情や言葉にされないニーズが存在します。これらを的確に把握するためには、表面的な言葉だけでなく、声のトーンや話し方など非言語的な情報にも注意を払い、相手の話を深く聴き(傾聴)、その感情に寄り添う(共感)姿勢が不可欠です。

アクティブリスニング(積極的傾聴)の基本技法

アクティブリスニングとは、単に話を聞くだけでなく、相手に関心を示し、理解しようと努める積極的な聴き方です。具体的には、適切な相槌を打つ、相手の言葉を繰り返して確認する(バックトラッキング)、内容を要約して伝える、非言語的なサイン(表情や声のトーン)に注意を払うといった技法があります。これらを通じて、顧客は「自分の話を真剣に聞いてもらえている」と感じ、安心して本音を話しやすくなります。この信頼感が、問題解決や潜在ニーズの発見に繋がる第一歩です。

共感(エンパシー)と感情理解の重要性

共感とは、相手の立場に立ってその感情を理解し、共有しようとする姿勢です。顧客が不満や不安を抱えている場合、まずその感情を受け止め、「お辛いですね」「ご不便をおかけし申し訳ありません」といった共感の言葉を伝えることが重要です。これにより、顧客は心理的な安心感を得て、冷静に話し合える状態になります。ただし、共感は同情とは異なり、相手の意見に全て同意することではありません。あくまで感情に寄り添い、信頼関係を築くための土台となるものです。

参照:1-3. 対応品質と顧客体験向上の基本原則

顧客の「言葉にされないニーズ(潜在ニーズ)」を引き出すヒアリング

顧客が明確に言葉にする要望(顕在ニーズ)の奥には、本人も意識していない、あるいは表現しきれていない「言葉にされないニーズ(潜在ニーズ)」が隠れていることがよくあります。例えば、「この操作が複雑で使いにくい」という声の裏には、「もっと時間を節約したい」「ストレスなく目的を達成したい」といった潜在ニーズがあるかもしれません。これらを引き出すには、表面的な問題解決に留まらず、「なぜそう思うのか」「それによって何を実現したいのか」といった深掘りする質問や、顧客の置かれている状況全体への関心が必要です。

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絶対に避けるべき問い合わせ対応の落とし穴