顧客の状況や要望を正確に把握するためには、効果的な質問スキルが欠かせません。質問の種類を理解し、状況に応じて使い分けることで、必要な情報をスムーズかつ的確に引き出すことができます。
オープンクエスチョンとクローズドクエスチョンの戦略的使い分け
オープンクエスチョン(「どのような点でお困りですか?」など、相手が自由に回答できる質問)は、顧客の考えや状況を広く探るのに有効です。一方、クローズドクエスチョン(「はい/いいえ」で答えられる質問や、具体的な選択肢を示す質問)は、事実確認や意思決定を促すのに適しています。会話の初期段階ではオープンクエスチョンで自由に話してもらい、徐々にクローズドクエスチョンで情報を絞り込んでいくなど、戦略的な使い分けが重要です。

問題解決を促進する質問の型(5W1H、仮説検証型など)
問題の全体像を把握するには「5W1H(いつ、どこで、誰が、何を、なぜ、どのように)」のフレームワークが役立ちます。また、原因が特定できない場合や複数の可能性が考えられる場合には、「もしかして〇〇という状況でしょうか?」といった仮説検証型の質問を用いることで、効率的に問題の核心に迫ることができます。これらの質問の型を意識することで、網羅的かつ論理的に情報を収集し、迅速な問題解決に繋げることができます。
顧客に負担をかけず、スムーズに情報を得るための配慮
情報収集は重要ですが、質問が多すぎたり、問い詰めるような口調になったりすると、顧客に心理的な負担を与えてしまいます。質問の意図を明確に伝え、一度に多くのことを聞かず、顧客のペースに合わせて進めることが大切です。また、専門用語や社内用語の使用を避け、分かりやすい言葉を選ぶ配慮も必要です。顧客が「尋問されている」と感じるのではなく、「一緒に問題を解決しようとしてくれている」と感じられるようなコミュニケーションを心がけましょう。